少額からスタートできる「新NISA」を活用しよう
日本銀行の「マイナス金利解除」などで揺れ動く経済。将来の資金問題を真剣に考える人も少なくないのでしょうか。
人生100年時代と言われる現代では自分の力で資産形成をすすめていくことが重要視されています。
家庭環境や理想のワークライフバランスとの兼ね合いのなかで、老後の資金づくりは早めに進めておきたいもの。
そんな需要も相まって、2024年1月から新たにスタートした「新NISA」への注目度は高まりつつあります。
今回は、少額からでもスタートできる「新NISA」を例に、積立年数別や運用利回り別に期待できる積立結果の違いについてシミュレーションしていきましょう。
記事の後半では月5000円~5万円の積立で期待できる「老後資金」のシミュレーションもしているので、ぜひ最後までご覧ください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【積立年数別】月5000円~5万円の積立で期待できる「老後資金」はいくら?
たとえば、年収がなかなか増えず「とりあえず、月5000円」から積立投資を始めようとする場合、それでも効果は期待できるのか気になりますよね。
結論、少額投資も長く続ければ充分な効果を期待できる可能性が高まります。実際に、金額と積立期間は、どのような関係性になっているのでしょうか。
今回は、積立年数別に老後資金をシミュレーションしてみました。なお、運用利回りは年利3%を前提とします。
【積立期間10年】月5000円~5万円の積立で用意できる老後資金
- 積立額:5000円 資産評価額:70万円
- 積立額:1万円 資産評価額:140万円
- 積立額:2万円 資産評価額:279万円
- 積立額:3万円 資産評価額:419万円
- 積立額:4万円 資産評価額:559万円
- 積立額:5万円 資産評価額:699万円
【積立期間20年】月5000円~5万円の積立で用意できる老後資金
- 積立額:5000円 資産評価額:164万円
- 積立額:1万円 資産評価額:328万円
- 積立額:2万円 資産評価額:657万円
- 積立額:3万円 資産評価額:985万円
- 積立額:4万円 資産評価額:1313万円
- 積立額:5万円 資産評価額:1642万円
【積立期間30年】月5000円~5万円の積立で用意できる老後資金
- 積立額:5000円 資産評価額:291万円
- 積立額:1万円 資産評価額:583万円
- 積立額:2万円 資産評価額:1165万円
- 積立額:3万円 資産評価額:1748万円
- 積立額:4万円 資産評価額:2331万円
- 積立額:5万円 資産評価額:2914万円
当然ですが、積立期間が長いほど、期待できる老後資金額は高額となります。たとえば今回の場合、月5万円の積立を30年間続ければ3000万円ちかい老後資金の用意が可能です。
また、月2万円の積立でも30年間続ければ1000万円以上の資産を築けます。
一方、月5万円の積立でも、積立期間が10年しかなければ期待できる金額は700万円以下。資産運用で高額な資産を築くには、はやく始めて長く続けることが重要とわかります。
【運用利回り別】月5000円~5万円の積立で期待できる「老後資金」はいくら?
さきほどのシミュレーションは、運用利回りが3%であることが前提でした。
ただし、実際の運用における利回りがどうなるかはわかりません。そのため、運用利回りによって資産評価額がどれくらい変わるのかを知っておくことは重要です。
次に、運用利回りごとに30年間の積立結果をシミュレーションしてみましょう。
【利回り年率1%】月5000円~5万円の積立で用意できる老後資金
- 積立額:5000円 資産評価額:210万円
- 積立額:1万円 資産評価額:420万円
- 積立額:2万円 資産評価額:839万円
- 積立額:3万円 資産評価額:1259万円
- 積立額:4万円 資産評価額:1679万円
- 積立額:5万円 資産評価額:2098万円
【利回り年率3%】月5000円~5万円の積立で用意できる老後資金
- 積立額:5000円 資産評価額:291万円
- 積立額:1万円 資産評価額:583万円
- 積立額:2万円 資産評価額:1165万円
- 積立額:3万円 資産評価額:1748万円
- 積立額:4万円 資産評価額:2331万円
- 積立額:5万円 資産評価額:2914万円
【利回り年率5%】月5000円~5万円の積立で用意できる老後資金
- 積立額:5000円 資産評価額:416万円
- 積立額:1万円 資産評価額:832万円
- 積立額:2万円 資産評価額:1665万円
- 積立額:3万円 資産評価額:2497万円
- 積立額:4万円 資産評価額:3329万円
- 積立額:5万円 資産評価額:4161万円
同じ積立金額でも、運用利回りによって資産評価額は大きく異なることがわかりました。
運用利回りは、経済状況などに加えてどの銘柄に投資するかでも左右します。銘柄選びは、過去の運用成績や投資先などをよく確認して、慎重におこないましょう。
少額からスタートできる「新NISA」をチェックしてみて
実はネット証券などで新NISAをスタートすれば、月100円から新NISAでの投資がおこなえます。そのため、高額な貯金がなくても新NISAで資産運用を始めることが可能です。
投資についての知識をつける労力などがネックにはなりますが、労働以外の方法でお金を増やせる点は魅力といえます。
投資には払い込んだ額よりも減ってしまう「元本割れ」のリスクなどは伴いますが、「長期・分散・積立」の3つポイントを抑えれば、できる限りリスクを小さくできると言われています。
少額からでも、できるだけ早いうちから投資を始めていき、購入のタイミングを分散するように心がけるのがよいかもしれません。
参考資料
- 日本銀行「資金循環統計(速報)(2023年第3四半期)」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」