『呪術廻戦』あの人は今……奇跡の本編登場を予感させる「謎の匂わせキャラ」たち

※本稿は『呪術廻戦』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

作者・芥見下々によって、2024年内での完結が示唆されているマンガ『呪術廻戦』。現在『週刊少年ジャンプ』(集英社)誌上で進行しているエピソードでは、さまざまな布石が怒涛の勢いで回収されている最中だ。

そこで本稿では、作中で一瞬だけ言及されたものの、ほとんど正体が明かされていない“謎の匂わせキャラ”たちについて振り返っていきたい。

まず取り上げたいのは、前日譚にあたる『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』からの登場人物であるラルゥ。「呪術師の楽園」を作ることを目論んでいた夏油傑一派のメンバーであり、作中ではバトルシーンはおろか、術式の詳細すら明らかになっていないが、相当の手練れのような風格を醸し出していた。

ラルゥはその後、「渋谷事変」で夏油一派の残党たちが身の振り方を議論する回想シーンにも登場。仲間たちが羂索に協力する派閥と反羂索の派閥に分かれるなか、どちらでもない立場であることを表明し、「家族」としていつか一緒にみんなでご飯を食べようと提案していた。

さらに重要なのは、「渋谷事変」の終盤にあたる第136話にて、ふたたびラルゥの名前が出ていることだ。羂索と裏梅が呪術高専サイドの術師たちを圧倒している状況で、さっそうと九十九由基が駆けつけるのだが、彼女のモノローグにて「ラルゥが動く時間」を稼ぐという発言が飛び出していた。

夏油一派との話し合いでは、羂索との戦いに関与するつもりがなさそうだったラルゥだが、その後何らかのきっかけで九十九の仲間になったのかもしれない。とはいえその後一切登場の機会はなく、2人がどんな関係にあるのかは明かされていない。

九十九も羂索も倒れた今となっては、もはや関係者が誰もいなくなったため、ラルゥの出番は絶望的にも思われる。しかし3月25日発売の『週刊少年ジャンプ』17号に収録された第254話では、同じ夏油一派残党のミゲルが“奇跡の再登場”を果たしていた。ほとんど前日譚でしか描かれていないミゲルが本編に再登場できるのであれば、ラルゥにもまだ希望の目はあるだろう。さらに言えば、夏油一派が「家族」として再会するという発言も、ある種のフラグだったと解釈できる。

呪術高専とは異なる呪術師たちの組織も

作中でちらっと名前が出てきたキャラクターでいえば、“宇佐美”なる人物も気になるところだ。登場シーンは一切なく、日下部篤也が「最強の一級術師」について問われた際、さりげなく名前を挙げたのみ。日下部と何らかの関係がある一級術師であることは間違いなさそうだが、その実力や現在の活動については謎に包まれている。

その正体について考察するファンも多く、日下部と世代が近い術師ということで、 「冥冥の本名が宇佐美なのではないか」という説も存在する。しかし別の場面で日下部は「冥冥」という呼称を使っているため、あくまで別の術師を指している可能性の方が高そうだ。

特定の人物ではなく団体名になるが、「アイヌの呪術連」の存在も以前からひそかに注目を集めてきた。『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』で夏油が百鬼夜行の計画を明かした際、呪術高専東京校の学長・夜蛾正道はOBやOG、御三家に加えてアイヌの呪術連にも協力を要請していた。この時、夏油は警戒心を露わにしていたため、大きな戦力を保有している組織だと推測できる。

また、この団体は「死滅回游」編においても間接的に言及されていた。日本全土を覆う結界(コロニー)ができた際、北海道だけが例外となっており、その理由として「呪術連の結界」があるためと説明されていたのだ。

アイヌの呪術連が実力者の集団だとすれば、日本全土を揺るがす「死滅回游」の実行、そして“呪いの王”両面宿儺の完全受肉といった異変が続いているなか、手をこまねいて経過を見守っているだけとは考えにくい。この先、何らかの形で活躍が描かれることになるかもしれない。

新宿決戦においてミゲルが登場を果たした以上、もはやこの先どんな展開があってもおかしくはないだろう。ラルゥや宇佐美、アイヌの呪術連に出番が回ってくることを祈りたい。

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(文=キットゥン希美)

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