花を飾ることが生活の一部に、「春」を持ち帰る若者―中国

中国の若者の中で花を飾ることが生活の一部になっている人が増えている。

90後(1990年代生まれ)の女性・倪想南さんにとって、忙しい毎日を送る中で、素敵な空間やセレモニー感をもたらしてくれるのが花で、花を買うというのが暮らしの一部になっているという。そんな倪さんは「決まった時間や決まった店で買うのではなく、仕事帰りの帰宅途中や公園を散歩している時、街をぶらぶらしている時などに、気に入った花を見かけたら買っている。たくさん買うのではなく、せいぜい数本程度。それなら持ち帰って飾るのも手入れするのも楽だから」と話す。中国新聞網が伝えた。

自分のために花を買うのは女性だけとは限らない。00後(2000年以降生まれ)の男性・張凱さんは週末に無人販売の花屋でヒマワリを数本選び、QRコードをスキャンして料金を支払っていた。そして笑顔を浮かべながら「男性だって自分をいたわらないと。新しく手に入れた家の内装工事も終わったばかりだから、家の中の雰囲気をもっとよくしたくて」と話した。

関連のオンラインプラットフォームのデータによると、3月以来、花や鳥などを扱う店が並ぶ「花・鳥市場」関連のレビュー数が前月比で90%増以上、お勧めなどを紹介する書き込み数が120%増以上に達し、検索の主力軍は20~35歳の若者となっている。検索の増加幅が最も大きいのは上海市や湖北省武漢市、浙江省杭州市といった都市で、花・鳥市場の検索回数が前月比でいずれも400%増となり、ネット上で人気を集める春の新たな目的地になっている。

安徽大学社会学学科の王雲飛准教授は、「若者は習慣的に花を買うことで、ストレスを緩和し、楽しく暮らしたいという思いを表している。それは小さなことであるものの、若者が自分の心の世界に関心を払っているということで、精神的に豊かな生活を求める能力を備えていることを示している」との見方を示す。

春になり暖かくなるにつれて、花市場が活況を迎えている。中国の若者は今、花を買うことで、「春」を家に持ち帰っている。中国ではこれまで祝祭日のセレモニー感を盛り上げるために花を買うという人が多かったが、今では「自分へのご褒美」のために花を買う若者が増えている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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