世界の株式資本市場調達額、3年ぶり高水準 出遅れIPOも今後に期待

Pablo Mayo Cerqueiro Echo Wang

[ロンドン/ニューヨーク 27日 ロイター] - 世界の株式資本市場で今年これまでに株式売り出しを通じて調達された金額は1439億ドルと、2021年第1・四半期以来3年ぶりの高水準を記録したことが、ディールロジックのデータで判明した。

一方新規株式公開(IPO)による調達額の規模は224億ドルで、前年同期比横ばい、22年序盤と比べると半分弱にとどまった。

ただ今年実施された幾つかのIPOは成功を収め、先行き金利低下が見込めるため、IPOも今後増加することが期待されている。

HSBCの株式資本市場グローバル責任者エドワード・サンキー氏は「米国は相当力強い滑り出しで、欧州も回復の実感がある。中東は活況が続くだろう」と述べた。

先週のニューヨーク市場では、オンライン掲示板レディットと半導体のアステラ・ラブズの株価がIPO後に高騰。スイスのスキンケアのガルデルマも22年のポルシェ以降で最大のIPOを順調にこなして、取引初日の株価は公開価格を上回った。

今年は11月に米大統領選が予定されており、それまでに駆け込み的にIPOが実施されるとの見方もある。

モルガン・スタンレーの欧州中東アフリカ現物株式資本市場責任者マーティン・ソーニークロフト氏は「イースター(復活祭)後には一連の質の高いIPOがあり、それらがうまくいくと見込んでいる」と話した。

最も待望されている案件の一つは、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの株式追加売り出しだ。

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