防災拠点の落成祝う 福島県浪江町室原の復興拠点 避難指示解除以降で初

テープカットし、防災拠点の完成を祝う吉田町長(中央)ら

 福島県浪江町が東京電力福島第1原発事故に伴う室原地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)に整備を進めていた防災拠点の落成式は27日、現地で行われ、関係者が完成を祝った。来月1日に供用を開始する。計500人が収容できる避難所や250台分の駐車場などを備え、住民らの安全・安心の拠点となる。町内の復興拠点内に施設が誕生するのは、昨年3月に避難指示が解除されて以降初めて。

 常磐自動車道浪江インターチェンジ(IC)北側に新設した。名称は「浪江町防災交流センター」。避難所は約100平方メートルの会議室を10室備え、町災害対策本部の機能が移転できる。非常食や飲料水、毛布などを保管する備蓄倉庫も併設。非常用発電機、災害時に仮設トイレとして使用できる駐輪場も置いて有事に備える。

 供用開始後、町は帰還困難区域への立ち入り受け付け業務を防災拠点で行う。平時は避難所を集会室として活用する。イベントや防災教育などを催し、住民同士の交流に役立てる。

 落成式には約40人が出席した。吉田栄光町長が「町内4カ所の防災コミュニティセンターと連携を図りながら災害に備え、さらなる安全・安心につなげる。次の世代を担う子どもたちにも責任が果たせる施設になる」とあいさつした。平本佳司町議会議長、佐々木恵寿県議らが祝辞を述べ、関係者がテープカットした。内覧も行われた。

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