長崎空港、福江空港有事拠点へ 大村市長「国策に協力」 五島市民「説明丁寧に」

 自衛隊や海上保安庁の有事使用に備える「特定利用空港・港湾」として長崎空港(大村市)と福江空港(五島市)も指定する政府方針に対し、地元関係者からは懸念や注文が聞かれた。
 大村市では今月、陸上自衛隊竹松駐屯地に離島防衛部隊「水陸機動団」の第3連隊が配備された。園田裕史市長は「国策に協力したい」とした上で、市民の安全安心が脅かされないような運用などを国に要望していく考えを示した。
 「テロや災害時にも効果を発揮し、市民県民の安全につながる」とも期待。市は今月、九州防衛局に適切な情報提供などを要望しており、園田市長は不安を抱く市民もいる現状を踏まえ「(国を)応援すると同時に、だからこそ国に求めていきたい」と話した。
 五島市の経済関係者は空港の活性化を期待する一方、「長崎県民は特に平和への意識が強く根付いており、軍事利用が進むのではないかという心配がある。国は市民にきちんと説明してほしい」と強調した。
 現在、自衛隊は急患や物資の輸送、訓練で年間数十回、福江空港を利用。市総務企画部は「必要に応じて(空港を管理する)県に情報提供や説明を求めていきたい」とした。

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