豪小売売上高、2月は前月比0.3%増 スウィフトさんコンサート効果

[シドニー 28日 ロイター] - オーストラリア統計局が28日発表した2月の小売売上高は前月比、前年比ともに増加した。米人気歌手テイラー・スウィフトさんのコンサート開催を受け、衣料品や外食への支出が拡大したことが背景。ただ、高水準の金利が所得を圧迫する中、伸びは小幅にとどまった。

2月の売上高は季節調整済み前月比0.3%増の359億豪ドル(234億3000万米ドル)。1月の1.1%増から伸びが鈍化した。ロイターがまとめた市場予想は0.4%増だった。

このところ消費動向の変化により季節調整値が大きく変動している。

前年比では1.6%増と、急速な人口増加を踏まえると弱い伸びだった。

統計局担当者は「テイラー・スウィフトのコンサートによる一時的な影響を考慮すると、基調的な伸びは0.1%に過ぎない。消費は11月から1月にかけて大幅に変動したが、その後は停滞している」と述べた。

豪準備銀行(中央銀行)は今月、3会合連続で金利を据え置き、引き締めバイアスを弱めたが、消費への影響が中銀決定の主な要因だった。

2月の小売売上高は、食品が0.1%、家庭用品が0.8%、それぞれ減少した。

オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのマクロ経済予測責任者ショーン・ラングケーキ氏は「高金利とインフレが家計を圧迫しており、個人消費はかなり低迷している」とし、「インフレ率の低下と実質賃金の伸び改善に伴い、見通しは今年1年改善する。ただ、上期を中心に売上高の勢いは不安定になる」と述べた。

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