五島つばき蒸溜所 再エネ化へ 「ゴトジン」海外展開に向け増産

再生可能エネルギー導入と増産に取り組む五島つばき蒸溜所=五島市戸岐町

 クラフトジンの製造販売を手がける「五島つばき蒸溜(じょうりゅう)所」(長崎県五島市)は27日、事業で使う電力を全て再生可能エネルギー由来に転換し、二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすると発表した。実現すれば、国内の蒸留所では初めてという。
 今年秋以降に2棟目を新設し、蒸留エリアを約4割拡張することも表明した。製造本数を月3千本から5千本に増やし、来年には海外展開を目指す。
 再エネ化は、事業の使用電力を100%賄う国際的な取り組み「RE100」(Renewable Energy 100%の略称)を採用。地元の福江商工会議所による「五島版RE100」を宣言する。
 自社の直接的なCO2排出も抑制。ガスボイラーを電気ボイラーに替え、社用車に電気自動車(EV)を導入する。
 2022年12月の開業後、五島に多く自生するツバキの種を使用したクラフトジン「GOTOGIN(ゴトジン)」を製造販売。主に百貨店や高級スーパー、業務用酒販店に出荷するなど販路を拡大している。
 同蒸留所の門田邦彦代表は「五島の再エネの可能性を世界にPRする一助になれたら。CO2を排出しない、環境に配慮した未来型の蒸留所を目指したい」としている。

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