女子ラグビーに打ち込む高校・大学生にエール、日本代表選手2人が講演 仕事と競技の両立テーマに

(左から)イーリング・トレイルファイン ダーズ・ラグビークラブの玉井希絵選手、横河武蔵野アルテミ・スターズの櫻井綾乃選手=東京都内(提供)

女子ラグビーに打ち込む高校・大学生らに、キャリア形成について考えてもらうセミナー「アスリートが次世代へ贈るメッセージ ラグビーもキャリアも諦めない」がこのほど、東京都内で開かれた。企業のアスリート社員として競技を続ける女子ラグビー選手らが登壇した。

パソナグループが主催。いずれも女子15人制ラグビー日本代表経験者の櫻井綾乃選手(横河武蔵野アルテミ・スターズ)、玉井希絵選手(イーリング・トレイルファインダーズ・ラグビークラブ)が登壇し、会場とオンライン合わせて約40人が参加した。

櫻井選手はNTTファシリティーズのアスリート社員。事務全般のほか、社員向けにストレッチや筋トレを指導する動画を配信して健康増進を図るなど、知見を生かした業務も担当する。仕事終わりに練習や自主トレに打ち込んでいる。

「仕事と競技の両立でラグビー関係者以外のコミュニティーが広がり、視野が広がった」と櫻井選手。競技経験が仕事で生きる場面について聞かれると「上下関係や挨拶など自然と身についているものが、仕事でコミュニケーションを図る上で良い印象を与えやすくなっているのかなと思う」とし、「ラグビー以外の世界に出るってすごく勇気のいることだと思いますが、視野を広げていってほしい」とエールを送った。

イングランドのチームでプレーする玉井選手は、パソナグループのグローバルアスリート社員。日本のチームに在籍していた時には、メディア向けの営業を担当した経験もあるという。選手として目標を持って取り組む習慣が仕事でも生きてきた、とし「チームにとって自分がどういう選手であるかを考える習慣があることで、組織の中で役割を自覚して行動することにつながっていると思う」と振り返った。

31歳で渡英した玉井選手は「例えそこに道がなくても、自分で選んで進めば後から道ができてくるはず。(競技と仕事)どっちかに絞らなきゃいけない、ということはないので自分で自分の人生をつくっていってほしい」と語った。

このほか、元ビーチバレーボール日本代表の草野歩さんも「目標を持つことの重要性」をテーマに講演した。参加した高校生の一人は「ハイブリッドキャリアのメリットを聞くことができてよかった。これまでの経験や、今のうちにやっておくべきことを知れて勉強になった」と話していた。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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