複数の保育士が園児を虐待 群馬・高崎市の保育園 懲罰的に孤立、大声で叱る… 市が運営法人に改善勧告 

 複数の保育士が園児を虐待していたとして、群馬県高崎市は27日、市内の保育園を運営する社会福祉法人に対して、虐待撲滅に向けた措置を講じるよう改善勧告した。2歳児クラスで懲罰的に園児を孤立させたり、威圧的な態度で保育したりしていた。園は同日夜、保護者向け説明会を開き、謝罪した。

 情報提供を受けた市は3月上旬、保育園に特別監査を実施し、①懲罰的に保育室に残したり保育室外に出したりして孤立させた②大声で叱るなど威圧的な態度③手や服を引っ張った―など心理的虐待や心身に有害な影響を与える行為を確認した。虐待を防ぐ体制がなく、職員研修も行われていなかった。

 法人としての責任を明確にして虐待撲滅に向けた厳正な措置を講じることなどを勧告し、4月26日までの報告書提出を求めた。市保育課は「子どもの安心安全が最も配慮されるべき保育園であってはならない重大な事案。勧告が確実に実施されるよう指導したい」としている。

 同法人によると、理事長(75)と園長、虐待に関与した40~60代の保育士3人は月末で辞職する。理事長は「現場のマネジメントが全然できていなかった。原因を分析して経営形態から変え、保護者や地域の信頼を回復していきたい」とした。

 保護者向け説明会に参加した30代女性は「こういったことが起きてしまうのは残念。先生の人数が減り、忙しくなる中でちゃんと見てもらえるといいが…」と話していた。

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