バスケットB1 長崎ヴェルカ惜敗 琉球に68―76

【長崎ヴェルカ―琉球】第3クオーター1分、ヴェルカの馬場がダンクシュートを決める=県立総合体育館

 バスケットボール男子のBリーグ1部(B1)第28節は27日、長崎市の県立総合体育館などで12試合が行われ、長崎ヴェルカは西地区首位の琉球に68-76で敗れた。通算は18勝28敗で西地区7位に後退した。
 ヴェルカは第1クオーター、琉球の外国人選手の高さを攻略できずに苦戦。リバウンド数で上回られ、成功した3点シュートも2本にとどまった。16-22で入った第2クオーターはエヴァンスが存在感を発揮。荒谷との好連係からインサイドで得点を重ねると、ボンズのリバウンドでの健闘もあって29-33と点差を詰めて折り返した。
 第3クオーターはチャンの3点シュートなどで加点したが、琉球に外角シュートを精度良く決められて一進一退の攻防に。6点ビハインドで入った第4クオーターは、2分からエヴァンスがゴール下などで連続7得点して勢いづき、4分の馬場の3点シュートで57-58の1点差に迫ったが、66-69の残り27秒で琉球の岸本に3点シュートを決められた。最後はファウルゲームに持ち込んだが、8点差で逃げ切られた。
 第29節は30、31日、各地で24試合を実施。ヴェルカは同体育館で島根と対戦する。

プレゼントされたオリジナルアロハシャツを着て選手たちに声援を送る観客=県立総合体育館

◎ロッカールーム 王者相手に紙一重の内容

 最後は8点差がついたが、内容は紙一重だった。長崎ヴェルカは西地区首位を快走する琉球を迎えたホームで惜敗。終盤までもつれた展開だっただけに、エヴァンスとともにチーム最多19得点で存在感を示した馬場は「いけると思ったけど…」と悔しさをにじませた。
 開始早々、持ち前の堅守速攻で好発進。だが、第1クオーターだけで12本と積極的に狙った3点シュートが成功2本とかみ合わなかった。ゴール下の外国人選手を軸にした琉球に5分で逆転を許し、追いつけそうで追いつけない攻防が続いた。
 第2クオーター以降はエヴァンスと馬場が豪快なダンクやブロックショットなどで流れを変えた。互角以上の時間が増えて場内はヒートアップ。第4クオーター4分に馬場の3点シュートで1点差に迫り、残り約30秒まで3点差で食らいついたが、B1連覇を狙う王者に振り切られた。
 これで14試合を残して18勝28敗。ターゲットの「30勝」は困難を極め、B3から最短でB1へ駆け上がったチームにとって厳しい状況が続く。ただ、負けが込んでもなお大観衆が駆けつけ、この日も国内最高峰の好勝負に会場は沸いた。数年前は想像できなかった光景が、当たり前になった。
 試合後、前田監督は「声援に結果で恩返しできずに申し訳ない」と口にした上で「選手たちは40分間ひるまなかった。ここからさらにファイティングスピリッツを積み重ねていくしかない」と言った。同じく西の果てで全国屈指の人気と地位を確立した琉球の背中を、いつか追い抜くその日のために。

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