「稼げば稼ぐほど税金で持っていかれる」という知人。本当に損しているのでしょうか?

所得税がかかる年収

所得税とは、会社からもらう給料や個人収入から、すべての所得控除を差し引いた「課税所得」にかかる税金です。給与所得とは、1年間に得た収入から必要経費を除いた金額であり、会社からもらう給与の場合は、収入金額に応じた給与所得控除が差し引かれます。

所得税がかかるのは、年収が103万円を超えたタイミングです。103万円は、給与所得控除額の55万円と、給与所得から差し引かれる所得税の基礎控除額48万円を合わせた金額です。差し引かれる控除額を超えた金額に応じて税率が加算されるため、103万円以下の年収であれば、所得税は発生しません。

所得税を計算する方法

所得税は、1年間の課税所得に所得税率をかけて算出します。課税所得とは、収入からすべての所得控除を差し引いたものです。所得控除には、すべての人に該当する基礎控除給与所得控除のほかにも、医療費控除や配偶者控除などがあります。

基礎控除は合計所得金額により控除額が変動し、合計所得が2400万円以下であれば、48万円が控除されます。

課税所得が分かったところで、税率を乗じて所得税を算出しましょう。税率は、所得金額に応じて7段階に変動する「超過累進税率」を採用しています。国税庁が発表している所得税率は、表1の通りです。

表1

※国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) NO.2260 所得税の税率」を基に著者作成

実際に課税所得が200万円であれば、200万円×10%-9万7500円となり、所得税は10万2500円です。

年収別の所得税額

前述した計算式を基に、単身者を想定して、年収別の所得税額を表2に記載しました。

表2

※筆者作成

表2のように、年収が上がるにつれて、所得税の負担は大きくなります。課税所得が700万円ほどになると、税負担は13%を超えるため、1割以上が税金として引かれてしまいます。

所得税だけで100万円ほどがかかると考えると、負担が大きいと感じる方もいらっしゃるでしょう。ただし表2の数字は、課税所得金額で計算しています。実際の年収ではない点に注意しましょう。

年収が上がるほど税負担は大きくなる

所得税は「超過累進税率」で計算されるため、収入金額が高くなるほど、税負担も大きくなります。どれくらいの年収で税金が高いと感じるかは、人それぞれです。

なるべく税負担を減らしたいのであれば、税率が切り替わるギリギリのラインに所得を調整するなど、工夫することも方法の一つでしょう。

出典

国税庁
所得税のしくみ
タックスアンサー(よくある税の質問) No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
タックスアンサー(よくある税の質問) No.2260 所得税の税率

岡山市 よくある質問 収入金額と所得金額とは、意味が違うのですか?

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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