ワールドスキャンプロジェクト、深海や地中に眠る金属を探知するドローン搭載センサ「JIKAI」を開発中及び特許出願。2025年に量産化を目指す

JIKAIは従来では困難とされていたドローンなどの移動体に搭載した状態での高品質な磁場計測が可能だ。

JIKAIの特徴について

従来の金属探知センサは、オフセット(強力な磁石などを近づけた前後でゼロ点がずれてしまう現象)による信頼性の有無と、ノイズによる信号雑音比(S/N比)のレベルがこれまでの大きな課題だ。

例えば、手持ちでの探査では、対象物の近くで計測する必要があり、データ品質を維持するためにセンサの姿勢が大きく変わらないような工夫が必要だという。

ドローンに搭載する場合も、高度0.5m程度の低空飛行が推奨され、センサ自体の重量・サイズから大型ドローンにしか搭載できないという問題があった。

JIKAIは、重さ約1kgほどの小型ドローンにも搭載することが可能。JIKAIで採用されている独自開発した検出技術は、姿勢変化が大きいドローンにおいても優れたパフォーマンスを発揮するという。特許は出願済。

既に、磁化された直径20mm、長さ0.5mの鉄棒(500ポンド爆弾相当)を探索対象とした模擬試験では、従来製品は7mの検知距離だったところ、開発品は20m以上の検知距離を実現した。検知距離性能向上によって、地表近くでの運用といった制約がなくなり、安全で効率的な探査が可能だ。

また、水深1000m以深の観測に成功しており、地球最深部調査への対応もできる。

JIKAIの活用が見込まれる分野について

  • ・アステロイドマイニングのための探査
    宇宙空間には多数のアステロイド(小惑星)が存在し、地球上で採掘するのが困難かつ貴重な資源が含まれています。これらの資源を採掘する「アステロイドマイニング」は、枯渇しつつある地球上の資源に代わる新たな資源を採掘する方法として期待されています。アステロイドマイニングは、探査中に資源量を見定めることが重要であり、JIKAIは高品質な資源量探査に活用できます。

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