韓国与党「国民の力」のハン・ドンフン（韓東勲）非常対策委員長が法務部（部は省に相当）長官として在職していた当時、自宅前に凶器を置いた容疑で拘束起訴された40代の男が実刑を宣告された。
28日、ソウル中央地方裁判所は特殊脅迫、ストーキング犯罪処罰法違反などの容疑で裁判にかけられたホン某被告（43）に懲役1年を宣告した。
ホン被告は昨年10月11日未明、韓委員長が居住するソウル・カンナム（江南）区のマンションの玄関ドア前に凶器と点火用ライターを置いて行った容疑で拘束起訴された。
裁判部は、「被告人は法務部長官だった被害者が自身を苦しめたという妄想に陥り、危険な物を携帯して居住地に侵入し、危険な物を置いて脅迫した」とし、「高位公務員を相手に凶器を利用して行った犯行で罪質は不良であり、犯行動機の避難の可能性は高い」と明らかにした。
特に、「2度も居住地を下見するなど計画的に犯行を行い、別の犯罪の執行猶予期間中に犯行を行っており、改善の情が足りない」と判示した。
裁判部はホン被告が凶器を置いた理由について、「自分も危険な物を使用できるにもかかわらず置いて行った。大目に見てあげた」という警告メッセージを伝えるためのものだったと陳述した点などをもとに、ホン被告に脅迫の故意があったと判断した。
また、韓委員長が自身を苦しめたと考えるなど、妄想に陥り心神耗弱状態で犯行を行ったとみられるが、量刑を減らす事由としては考慮しなかったと説明した。
ただ、ホン被告が犯行前に韓委員長の自宅周辺を下見した行為が被害者を待つためのものだったとは考えられず、凶器を置いた行為も1度に終わった点などを考慮し、ストーキング処罰法違反の容疑は無罪と判断した。
判決宣告後にホン被告は「国が自分を苦しめた」、「口止めをするな」と叫び、制止された。
