多摩市 ゲームで避難意識向上に 市職員が考案 多摩市

避難に必要なものを話し合う児童

多摩市は、物品のコストや重さを考えて最適な非常用持出袋を作成してもらうカードゲーム「持出王」を考案した。ルールやカードを作った防災安全課の職員が3月8日、豊ヶ丘小学校で出前授業を行った。

持出王は、プレイヤーが約80枚の物品カードの中から避難所に持っていく物品を選ぶことから始まる。各物品カードには「重さ」「大きさ」が決められており、制限重量に収める必要がある。

そして、コントローラーと呼ばれる人が避難所に向かう道中や避難所で発生する出来事を読み上げる。この出来事に対してプレイヤーは物品を使って解決策を図り、解決策が理にかなっているものであれば、称号カードを得ることができ、全てのトラブルを解決できたプレイヤーが「持出王」となる。

市は、ゲームを通して、避難の際に必要な物品の優先順位を考えることや災害時の出来事に対処する方法を学ぶことができるとしている。

出前授業には4年生の児童が参加した。今回は、称号カードは使わずに、グループに分かれ児童同士で避難時に必要なものを考えてもらうことに重きを置いた。

児童らが必死に考え必要な物品をそろえると、市職員が避難時における出来事を発表していった。「外が真っ暗」であれば懐中電灯が必要であり、「のどが渇いてきた」となれば「水」が必要と、出来事に対する解決策を児童らは話し合っていた。

避難の種類について家にとどまる在宅避難や親せきの家に行く縁故避難があることも踏まえつつ、市職員は「避難するためには事前準備が必要。ゲームを通して保護者と話し合うきっかけになれば」と話していた。

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