トークと歌で被災地交流 東日本大震災から13年 多摩市

最後に行われた参加者全員による合唱

東日本大震災と能登半島地震の復興を支援する「トークセッション&ふれあいコンサート♪」が3月20日、関戸公民館で行われた。主催の桜ヶ丘商店会連合会が2015年から「風化させない」と続ける交流企画で、被災地の学生を招くなど企画に携わった人たちが集まった。

東日本大震災の被災地・福島の小中学生と交流を続ける多摩市の小中学生を結びつけたきっかけは、同商連が2015年に開いた催し。「福島しあわせ運べるように合唱団」の団員を招き、東落合小学校合唱部の児童と合同コンサートを開いた。19年には多摩第一小学校と多摩中学校の児童生徒が福島を訪問した。

この間には震災を風化させないよう、毎年のようにコンサートやつどいを開き、コロナ禍でも写真展やオンラインでつながりを続けるなど交流は途切れなかった。

卒業生などが参加

今回は二部制になっており、一部では「福島しあわせ運べるように合唱団」のメンバーや多摩第一小学校有志・卒業生、多摩中・落合中学校卒業生有志、浪江小中学校卒業生有志らが参加するトークセッションが行われた。ファシリテーター(進行役)は第1回目のコンサートに参加した渋下すみれさん=人物風土記で紹介=が務めた。渋下さんが参加者やイベントに関わった人たちに話を聞く形でセッションは進められていった。

福島から参加した学生は「震災は大人たちも冷静に行動することができなかった。震災のことを知って子どもたちを守ることのできる大人になりたい。だから保育園の先生をめざしています」など涙ながらに語ると会場から拍手が送られた。

また、東日本大震災や阪神淡路大震災、能登半島地震は寒い季節に発生していることから、真冬の防災訓練や寒さ対策の必要性などを強く訴える参加者もいた。大きなホールで小中学生が一生懸命それぞれの思いを話す姿に、来場者は耳を傾けていた。

二部では、合唱団や第一小、多摩中のメンバーによる合唱や手話歌が披露され、最後は出演者全員で「未来の光へ」を合唱した。ピアノ伴奏は交流企画に関わってきた吉本元汰さんと同級生の渋下さん(譜めくり)が務めた。

「未来の光へ」は福島県の浪江中学校の生徒が作詞した曲で、多摩第一小学校6年生の児童が合唱した曲が収録されたCDが、3月11日に発売されたばかりだった。

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