「私、全然かわいくないのに…。ねぇ?」超めんどくさい「自虐風マウント」のうまいやり過ごし方【心理カウンセラーがアドバイス】

(画像はイメージです/PIXTA)

自分を下げつつ自慢を織り交ぜてマウントを取る人、いますよね。「そんなことないよ!」「すごいよ!」と言わせたい気持ちがビンビン伝わってきて、ウンザリ…。どうやって対処すればいいのでしょうか?※本連載は、作家・心理カウンセラーの五百田達成氏の著書『繊細な人 鈍感な人 無神経なひと言に振り回されない40の考え方』(PHP研究所)より一部を抜粋・再編集したものです。

自虐しつつ〈カワイイ〉と言わせたたいのが見え見えで…

[図表1]

〈自虐風味〉の自慢トークは、〈自慢部分〉に強めに乗っかり…

「私なんて全然可愛くないのに……。彼って私のどこがいいんだろ」

「オレなんて数字弱いのに、よく営業できてると思わない?」

こういう謎の自慢(?)トークに出くわすこと、ありませんか。普通の自慢話に比べて、なんだかモヤモヤするし返答に困ります。

なぜかというとこれは「自虐自慢」トークだから。

「可愛くない」と自虐しつつ「彼氏がいる」ことを自慢。「数字に弱い」ことを自虐しつつ「営業マンである自分」を誇る自慢。あからさまに自慢するのは角が立つから、やわらげつつ自慢するテクニックです。

こちらとしてはまずは“自虐部分”を「そんなことないよ」とフォローしつつ、同時に“自慢部分”にも「すごいねー」と乗ってあげなくてはいけない。ああ忙しい。手間がかかる……。

気持ちよくなった相手は話が止まらないし、結局のところ「すごいでしょ?」とマウンティングしてくるわけなので、心もすり減ります。

つい、意地悪な気持ちが芽生えて「ほんとだね、全然可愛くないのにね」「数字、絶望的にダメだもんね」と逆襲したくもなりますが(笑)、気の優しいあなたにはハードルが高いでしょう。

なのでここはとりあえず、“自虐部分”には触れず(下手に触れると地雷を踏むことになるので)、“自慢部分”に強めに乗っかりましょう。

「はい、のろけきたー!!」

「さすが、営業部のエースは違うね~」

と冗談めかして持ち上げるのです。「自慢ですね、自慢したいんですね、どうぞどうぞ」というニュアンスを出せば、相手も恥ずかしくなって「いや、そういうんじゃないけど(ごにょごにょ)」と引き下がってくれます。

古い日本映画で、のろけられた女優さんが「まあっ、ごちそうさま」と言っていますよね、あのイメージです。祝福しつつも「はい、そこまで」というストップの意味も含んだ、素敵な日本語だと思いませんか?

[図表2] 自虐自慢は、強めに乗っかって笑いに変える。

五百田達成
作家 心理カウンセラー

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