京都でヤングケアラー研修会「祖母が死んでほっとした」介護した高校生の環境は

ヤングケアラーに必要な支援策を話し合う参加者たち(福知山市内記・市総合福祉会館)

 大人に代わり子どもが家事や家族の世話を日常的に担う「ヤングケアラー」の問題を考える研修会が、このほど京都府福知山市内記の福知山市総合福祉会館であった。教育や福祉分野の専門家らが支援の在り方について話し合った。

 福知山市や市内の小中高などでつくる市要保護児童対策地域協議会が8日に行い、教員や社会福祉士ら40人が参加した。

 立命館大学の斎藤真緒教授が講師を務め、高校時代に認知症の祖母を介護した教え子の体験を紹介。全日制から通信制に転校し通院の付き添いや排せつの介助をしたといい「祖母が死んでほっとしたと話していた。周囲の大人が、相談できる環境をつくることが重要」と訴えた。高齢化が進む中、誰でも同様の状況に陥る恐れがあると指摘。「ヤングケアラーを防ぐには子どもだけでなく、家庭全体に目を向ける必要がある」と強調した。

 参加者はグループに分かれ、個別の事例に応じた支援策について話し合った。惇明小学校の非常勤講師、佐藤美和子さん(56)は「教育現場だけで対処できる問題ではない。他の専門家との協力体制を築きたい」と話した。

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