心を一つに。全国にその音色を響かせる 臼杵高校箏曲部 【大分県】

全国高校総合文化祭に26回連続出場している臼杵高校箏曲(そうきょく)部。息の合った演奏は外部からも高く評価されており、臼杵市のみならず市外の多くの演奏会やイベントに参加している。昨年は県高文連主催の第46回邦楽発表大会「日本の調べ」で金賞を受賞した。

現在は14人の部員が在籍、全員が初心者から箏曲を始めたメンバーだ。練習は1日2時間ほど。部長の渡辺愛里(2年)は、「曲ごとにみんなの描くイメージが違うので、話し合いながら方向性を統一する。自分たちが満足する演奏ではなく、聞いてくれる人に何かを届けられる演奏を目指している」と話す。部員たちの原動力になっているのは、歴代の先輩たちの姿。琴と向き合い、良い演奏を届けるために努力する先輩のようになりたいと思う気持ちが、今の部員たちの成長につながっている。実際に、先輩たちのステージを見て入学や入部を決めた部員も多い。

それぞれの音を合わせ、合奏を完成させる

「全員で話し合い、納得のいく練習ができるメンバー。その集団の中にいると自然とうまくなりたいという気持ちが生まれている。今後もその気持ちを追求してほしい」と話すのは顧問の伊達洋子教諭。「演奏の技術はもちろん、部活動を通して人間的な成長もしてほしい」と日々指導にあたっている。

昨年末に行われた「第31回郷土芸能邦楽新人大会」では、日本音楽の部で最優秀賞を受賞。今年の全国高校総合文化祭(全総文)への切符を手にし、出場記録をまた一つ伸ばした。昨年の全総文では思うような演奏ができず悔しい思いをしたが、今年はその思いを払拭(ふっしょく)し、部員の絆となっている音色を全国へ響かせる。

27年連続の全総文への出場を決めた

(塩月なつみ)

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