西武線の6駅、「遠隔対応」に変更へ…4月から駅員は常駐せず、インターホンで客とやりとり 労働力不足の加速が見込まれて判断 すでに5駅が「巡回駅」に変更、今回の6駅はどこ

「遠隔対応駅」となる駅に設置されるモニター付きインターホン(西武鉄道提供)

 西武鉄道(本社・埼玉県所沢市)は4月1日から、西武池袋線武蔵藤沢(入間市)―高麗(日高市)の間にある六つの駅について、駅係員を常駐させずインターホンで利用客の対応を行う「遠隔対応駅」に変更する。該当駅では駅係員による乗車券類の発売や精算、案内などの窓口対応が終了となる。同社は「少子高齢化に伴い生産年齢人口が減少しており、労働力不足が加速していくことが見込まれる中で、鉄道事業を安定的に持続させるため、利用状況を考慮して決めた」としている。

 遠隔対応駅となるのは武蔵藤沢と高麗の他に、稲荷山公園(狭山市)▽仏子(入間市)▽元加治(同)▽東飯能(飯能市)の各駅。入間市駅と飯能駅の両駅は該当しない。

 六つの駅にはモニター付きインターホンが、1駅当たり3~6台設置される。利用客が駅係員の対応を必要とする場合は交通系ICや切符を示し、「よびだしボタン」を押す。対応する駅係員の映像は、基本的にモニターには映さない。耳の不自由な利用客がある場合などには、映像を介して対応する。

 乗車時に係員によるサポートが必要な利用客は、希望の時間と乗降する駅について「西武鉄道お客さまセンター」に事前連絡する。急な利用のケースではインターホンで知らせる。

 遠隔対応駅となる6駅のうち、2022年度の1日平均の乗降人員が最も多いのは武蔵藤沢駅で2万1288人。最も少ないのは高麗駅で2183人だった。

 同社は23年3月、池袋線の東吾野(飯能市)や秩父線の芦ケ久保(横瀬町)など五つの駅について、駅係員を常駐させず近隣の駅係員が定期的に見回る「巡回駅」に変更している。

 問い合わせは、同センター(電話04.2996.2888、午前9時~午後5時)へ。

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