「かながわの名産100選」にも選ばれた『おつけもの慶』が、地元川崎の野菜を使ったキムチで川崎を元気に!

「あごがおちるほど旨いキムチ」を食べたことあるだろうか?キムチ専門店「おつけもの慶」を運営する神奈川県川崎市の有限会社グリーンフーズあつみは、「健康で美味しいライフスタイルの追求」をコンセプトに、こだわりの農家の旬の野菜を使用して、その季節に合ったキムチを製造・販売。「かながわの名産100選」にも選ばれ、川崎の名物となっている。また、近年は地産地消にも力を入れ、川崎市産の名物野菜を使用したキムチも多く作り出すなど、「キムチで川崎を元気に!」するための様々な取り組みを行っている。そんな「おつけもの慶」のキムチへのこだわりや、川崎を盛り上げるための取り組みなどのラウンドテーブル&試食会が2024年3月26日(火)川崎で行われた。

「野菜の数だけキムチがある!」

有限会社グリーンフーズあつみ 代表取締役 渥美和幸さん

「おつけもの慶」のキムチは他にはない旨味と歯ごたえが特徴で、子どもからお年寄りまで、世代を問わず愛されている。あごがおちるほど旨い理由の1つは、グリーンフーズあつみが青果店だからだ。青果店ならではの目利きで野菜を厳選、職人が野菜に適した塩漬けを行うことで、野菜のおいしさを最大限に引き出しているのだ。代表取締役の渥美和幸さんは「野菜の数だけキムチがある」と熱く語る。「おつけもの慶」では、年間を通して販売する「王道白菜キムチ」などの他にも、毎月、異なる野菜のキムチを販売。斬新なメニューを数々考案し、ヒット商品を生み出している。

「おしんこのように」から「食事のメインの一つ」に

「おつけもの慶」のキムチは、消費者の声を参考に、浅漬けに特製ヤンニョムを和えるという、業界の常識にとらわれない型破りな作り方をしている。そうして作られたキムチは、酸味よりも甘みが強く、辛みと甘みのバランスが絶妙で、シャキシャキとした食感がうけているのだとか。「おしんこのように毎日の食卓にキムチ」をコンセプトに、より美味しく、飽きのこないキムチを追求し続け、今では食事のメインメニューの一つとして楽しまれるまでになっている。それを象徴するのがオーナー考案の人気商品「元祖!おなかいっぱいイカキムチ」だろう。特製ダレで味付けし茹でた真イカのおなかの中に、人気商品の白菜キムチ、カクテキ、オイキムチをギュウギュウに詰め込み、家伝「慶キムチの素」で漬け込んだもので、大きさもさることながら、味もまさにメイン料理だ。中に詰められたキムチが旨いのは言うまでもなく、イカの旨味も存分に味わうことができる。実は筆者もこのキムチの大ファンで、何度も我が家の食卓にあがっている。イカとキムチを一緒に食べてもよし、別々に味わうもよし、見事なコラボだ。北海道の日本海で水揚げされた極上のタコを使った新商品も発売したというから、こちらも見逃せない。

川崎特産!地元野菜をつかったキムチ!

有限会社グリーンフーズあつみ プロジェクトマネージャー 伊藤泰介さん

旬の野菜で作る期間限定の商品には、地産地消を実現のため、地域の農家の方と連携し川崎産の野菜を積極的に使用している。今が旬、川崎が誇る春の伝統野菜「のらぼう菜」を使用したキムチも。「のらぼう菜」は、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸といったビタミン類のほか、カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルも含まれている。甘味があり、生で食べても柔らかくみずみずしい食感が特徴で、収穫後すぐに工場へ運び塩漬けすることで、鮮度が保たれ凝縮された旨味が引き立たつキムチになるという。伊藤さんによると、川崎北部の伝統野菜として、社長自ら畑を見に行き商品化に至ったもので、2019年から販売を開始した「のらぼう菜キムチ」はすでに人気商品の一つ。地産地消の代表商品でもあり、毎年3月に販売しているのだそう。また防空壕で栽培された川崎産の「キクラゲ」を使用したキムチも販売。伊藤さんは「防空壕の安定した温度の中で生産されているキクラゲは、本当に肉厚で、すごく食べごたえがあって、食感がいい」と話した。また川崎産の野菜を使うことについて渥美さんは「産地が近いということはとにかく鮮度が良いってこと!鮮度は野菜の命!」と地産地消の良さを語った。

キムチで川崎を元気に!

川崎に来た人が気軽に購入できるよう京急川崎駅構内に“キムチの自動販売機”を設置したり、地元の市立川崎高校の生徒とコラボしたキムチを商品化するプロジェクトを行うなど、川崎市を盛り上げるべく、地域に根付いた取り組みも多く行っている。「プロジェクトK」と呼ばれる川崎高校での取り組みについて伊藤さんは、「将来、地元の就労に結びついたり、将来世代の方に一緒に川崎を盛り上げていただく、あるいはキムチという食文化の魅力を発信してもらうために始めたのがきっかけ」と話した。

今回、キムチ作り体験も行われた。人気の「白菜キムチ」の作り方の手本を見てから、それぞれ用意された白菜とヤンニョムを使って作っていく。白菜の葉一枚一枚に丁寧にヤンニョムを塗っていくのだが、根元の厚い部分にはしっかりと乗せ、葉先に伸ばしていくようにするのがコツなのだとか。「おつけもの慶」では、キムチの元も販売しているので、好きな野菜や食材でオリジナルキムチを作るのも楽しいだろう。また、キムチは発酵食品で、どんどん味が変わっていくので、出来立ての味、そして熟成したものを味わうのも楽しいそう。株付きの白菜キムチを買った場合は、少しずつ食べる分だけをカットして、残ったものは切らずに保存しておくと、最後まで美味しさを楽しめるのだとか。これは是非試してみたい。

早速、試食会で特製キムチの数々を味わってみた。

川崎の伝統野菜「のらぼう菜キムチ」
シャキシャキとして食感が良い。野菜の甘みがしっかり感じられ、とても美味しい。菜の花に少し似ている。

「防空壕キクラゲキムチ」
確かに肉厚で、シャキシャキコリコリ食感が素晴らしく、食べ応えあり。

「飯蛸キムチ」
柔らかくて食べやすい。口に入れた瞬間にいいだこの旨味があふれ出てくる。お酒に合いそうだ。

「オイキムチ」
なんともみずみずしくて、優しい甘みと旨味。これはいくらでも食べられそう。

「クリームチーズのヤンニョム和え」
ピリ辛なヤンニョムと、マイルドな味わいのクリームチーズのマリアージュが素晴らしい。

「おつけもの慶」とは
青果店として野菜の卸しを行う代表取締役 渥美和幸と川崎のコリアンタウンにある人気焼肉店「慶北苑」のチーフであった城野勝、野菜と漬物のエキスパートが出会ったことで、キムチ専門店「おつけもの慶」は住宅街の人通りの少ない、たった一坪のお店からのスタート。「おつけもの慶」が目指すのは“本場韓国のキムチ”ではなく、日本人がキムチという漬物文化と真摯に向き合った“川崎発のキムチ”。最近は地産地消にも取り組み、「野菜の数だけキムチがある」をモットーに作り続けている。

今回は、「おつけもの慶」のキムチへのこだわりだけでなく、川崎名物のキムチを作り上げた渥美社長の熱い思いを感じられる会でもあった。あの熱さが、キムチを脇役からメインに押し上げたのだろう。「おつけもの慶」のキムチは、どれも味や食感だけなく、見た目にも楽しい商品が多く、キムチ好きを大いに楽しませてくれる。直営店や地元スーパーだけでなく、ネット販売も行っていて、全国の催事で毎日のように販売しているとのこと。こだわりがたくさん詰まった「川崎名物のキムチ」を一度味わってみてはいかがだろうか。

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