星稜、県勢初の春4強 甲子園、阿南光に5―0 戸田が無四球完封

準々決勝に勝利し、笑顔で駆け出す星稜ナイン=28日午前10時20分、甲子園球場

  ●30日健大高崎戦

 第96回選抜高校野球大会は28日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準々決勝が行われ、星稜が阿南光(あなんひかり)(徳島)を5-0で破り、春の甲子園では石川県勢初となる4強入りを決めた。先発のマウンドに立った背番号18の戸田慶星(けいた)(2年)は被安打2、無四球で完封した。星稜は30日午前11時開始予定の準決勝で、高崎健康福祉大高崎(群馬)と対戦する。

 星稜が二回までに4点を先取して主導権を握った。好投手の吉岡暖(はる)を擁する阿南光の先発は、予想に反して背番号18の大坂将太。星稜打線は右の変則投手が投じる打者の手元で動く球にしっかり対応。山下智将(としまさ)監督は「正直、見たこともない投手だった。打席の中で感じたことをみんなで共有するようにした」と冷静に振り返った。

 一回に4番・萩原獅士(れお)の適時打で先制。二回は6番・能美誠也の右中間三塁打から4連打と、下位打線の鮮やかな集中打でこの回3点を奪った。二回途中からエース吉岡が登板しても、四回に確実に加点した。

 星稜は春16回、夏22回甲子園に出場。春は前大会まで4度の8強(1992、1995、2018、2022年)入りが最高だった。夏の甲子園では、山本省吾投手がエースだった1995年の第77回大会、奥川恭伸投手(ヤクルト)と山瀬慎之助捕手(巨人)のバッテリーを擁した2019年の第101回大会で準優勝を果たしている。

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