宝塚歌劇が団員急死で謝罪、遺族「娘に会いたい、生きていてほしかったです」 劇団側と交渉合意

会見する遺族代理人の川人博弁護士(左)と井上耕史弁護士=28日午後、東京都千代田区、厚生労働省(撮影・長嶺麻子)

 宝塚歌劇団(宝塚市)の俳優女性(25)が昨年9月に急死した問題で、歌劇団側が上級生によるパワハラの存在や謝罪方法の交渉で遺族と合意したことを受け、遺族の代理人弁護士が28日、東京都内で会見を開いた。会見では、親会社阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が同日午前、遺族に謝罪したことが明かされた。遺族は「言葉では言い表せないたくさんの複雑な想いがあります。娘に会いたい、生きていてほしかったです」とコメントを発表した。

 代理人の川人博弁護士によると、両者は28日午前、大阪府内で合意書を締結した。合意書では、上級生がヘアアイロンで女性にやけどを負わせた件など14のパワハラがあったことが認められた。調印に当たって角会長が遺族に対して直接謝罪したという。

 遺族側が2月末に開いた記者会見では、阪急側が遺族が主張するパワハラ行為の半数を否定していると明かし、「双方が合意するには見解に隔たりがある」としていた。3月上旬に5回目の面談交渉を開き、合意に至ったとみられる。(末永陽子、藤森恵一郎)

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