「源氏物語」の恋文などを書いた作品展 小松島市の書家が活動の集大成として開催【徳島】

徳島県小松島市の書家・藤井悦子さんが「源氏物語」の恋文などを書いた作品展が、3月28日から徳島市の徳島城博物館で開かれています。

この作品展は37年前、「源氏物語」をテーマに個展を開いた藤井さんが、これまでに書いてない部分を作品にして、活動の集大成にしようと開きました。

会場には、「源氏物語」の中でやりとりされる恋文が色とりどりの54枚の色紙に書かれ、示されています。

藤井さんは当時の歌をイメージしながら筆の運びや余白などを工夫し、「散らし書き」という手法で制作しました。

(書家 藤井悦子さん(84))

「みしおりのつゆわすられぬあさがほの 花の盛りはすぎやしぬらん」これは朝顔の巻があって、朝顔の姫様・朝顔という名前ですけど、『源氏物語』の中でただ一人、光源氏をふった方なんです。朝顔もだんだん枯れてきて、あなたもお歳がいきましたね、という大変失礼な歌なんですけど、またそれにユーモアをもって朝顔が返事をする。ただ一人なびかなかったところがいいかなと」

ほかにも、54巻からなる「源氏物語」の巻名を着物に書いたものや、物語の文章を屏風に書いたものも展示されています。

また、37年前の藤井さんの個展を再現したスペースもあります。

(書家 藤井悦子さん(84))

「ちょっと平安時代に入ってほしいかしら。現実を離れて、ちょっと違う世界に入ってもらうのもいいかな。こんな世の中ですから、来てくださってる間だけは、ロマンチックに平安時代のお姫様になってもいいかなと思います」

この展示会は、徳島城博物館で3月31日まで開かれています。

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