ソニー、ミラーレス一眼「α」3モデル向けの対フェイク画像ソリューションを提供開始。まずは一部報道機関から

ソニーは、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α1」「α7S III」「α7 IV」に対し、C2PA規格対応を含む真正性カメラソリューションの実装、およびカメラ撮影機能とワークフローの改善アップデートを本日3月28日より提供開始する。

α1などに提供

同社は昨年、改ざんされた画像やAIが生成したフェイク画像のまん延といった課題を対処するためのカメラ技術開発の取り組みを発表していた。そしてこの度、C2PA(デジタルコンテンツの出所と信ぴょう性に対し、オープンスタンダードと技術仕様を策定する標準化団体)規格対応とソニー独自のデジタル署名技術によって、画像の真正性を検証するカメラソリューションの提供を開始する。

同社によれば、これらの課題は画像コンテンツの信頼性が重要な報道現場で特に深刻で、業界全体で対策を講じる必要があるとしており、まずは一部の報道機関に向けて提供を開始。提供は順次拡大されるほか、4月以降には「α9 III」も対応を予定している。

本アップデートを行なったカメラはC2PAに準拠するほか、撮影画像には来歴情報とカメラで撮影されたことの真正性情報がカメラ内デジタル署名として埋め込まれる。このデジタル署名で「デジタル出生証明書」が作成されるため、後からイメージ検証サイトで「カメラで撮影したかどうか」を検証することが可能。これによって報道機関は、C2PA準拠の編集ソフトで画像の編集を重ねても、編集来歴情報とカメラで撮影したことの真正性情報を維持できるという。

ソニー真正性カメラソリューションの内容

また本デジタル署名には、ソニー独自のセンサー内技術による3D深度情報を含むメタデータも内包。撮影された画像が実際の立体物か、画像や映像をカメラで撮影したものなのかを検証でき、報道機関においてコンテンツの信頼性をより高められるとしている。

3D深度情報を含むメタデータによって、撮ったものが立体物かどうかも検証できる

同時にクリエイターから要望が多かったという撮影機能の向上、撮影後のワークフローの改善も実施。リレー再生や動画時のブリージング補正機能、ファイル転送プロトコル (FTP) の転送操作性向上、「Creators' Cloud」のクラウドサービスやアプリケーション対応が行われるほか、α7IVではネットワークストリーミングへの対応も行われている。なお、これらのアップデートは一般ユーザー向けにも提供されている。

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