「シンギュラリティー」いつ到来? ボアオフォーラムで討論会

「シンギュラリティー」いつ到来? ボアオフォーラムで討論会

26日、ボアオ・アジアフォーラム2024年年次総会で「シンギュラリティ」について議論する中国と海外のゲスト。(ボアオ=新華社記者/宋晨)

 【新華社ボアオ3月28日】中国海南省瓊海(けいかい)市博鰲(ボアオ)鎮で開催中のボアオ・アジアフォーラム2024年年次総会は初日の26日、「技術革命の『シンギュラリティー』はいつ起こるのか?」をテーマとしたパネルディスカッションが開かれた。

 「シンギュラリティー(技術的特異点)」とは、人類の科学技術が爆発的な飛躍を実現するとされる時点を指す。ディスカッションでは、一部の専門家から、シンギュラリティーは予想よりも早く起きる可能性があるとの意見が出された。

 原始社会から現代まで、人類はその歴史の中で、幾度かの科学技術の大きなブレークスルーを果たしてきた。かつての多くの夢物語が現実のものになり、人類の生活や生産の方式、世界の形を大きく変化させた。

 バイオ3Dプリンティング、量子計算、ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)、人型ロボットなど、近年のイノベーション成果はシンギュラリティーが近い未来に到来する可能性を示唆している。

 人工知能(AI)を手がける中国企業、小i機器人の創業者である袁輝(えん・き)氏もシンギュラリティーがますます近づいていると感じている一人だ。同氏は16年のボアオ・アジアフォーラムで「シンギュラリティーは30年以内に起こる」と述べている。

 韓国・ソウル大学電気情報工学部の李炅武(イ・ギョンム)教授が17年にAI研究者を対象に行った調査では、ほとんどの研究者が「シンギュラリティーは2045年から2090年の間に発生する」と予測していた。だが李教授は今、シンギュラリティーが「5年で起きる可能性もある」と考えている。「AIはかつてないスピードで進化している。それ(シンギュラリティーの到来)は予想以上に早いかもしれない」(記者/陳凱姿)

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