生活保護費の不適切支給問題 第三者委が初会合 群馬・桐生市

 群馬県桐生市の生活保護費の不適切支給問題を巡り、市が設置した第三者委員会の初会合が27日、同市の美喜仁桐生文化会館(市民文化会館)で開かれた。市が昨年12月に公表した分割支給で月ごとの満額に達しなかった事例や、受給者から預かったとみられる印鑑を無断で押印した事例などについて原因究明を目指す。

 初会合では、委員から保護者数が過去10年で半減した要因を調査対象に加えるよう意見が出され、保護申請を抑制するような市担当者の対応があったかを含め調べていくことになった。

 委員4人に委嘱状を交付した荒木恵司市長は「本市の生活保護行政を生まれ変わらせ、市民の信頼を回復するために、忌憚(きたん)のない意見をいただきたい」とあいさつした。委員長に選出された吉野晶弁護士は「今回の問題は、法律家として大変、衝撃を受けている。生活保護は社会保障、社会福祉の根幹にある制度。原因究明と再発防止について、私たちの目からきちんと分析しなければならない」と述べた。

 初回は、不適切事例の説明や内部調査チームによる報告があった。委員からは、保護世帯のうち10年前に20世帯を超えていた母子の割合が22年度に2世帯に減少したことや、年度によって保護申請に対する却下率が5割近くになっている理由について、他自治体との比較を含めて調査するよう指摘があった。

 次回は5月24日に開催される予定。

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