「嫌い」だなんて言ってられない 前田光史朗は中島、蝉川、平田に続けるか

「64」で3打差2位発進(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 初日(28日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)◇曇り(観衆1376人)

昨季の国内男子ツアーを席巻したのは、大学卒業1年目に当たる2000年度生まれの選手たち。賞金王の中島啓太、ランク2位の蝉川泰果、「日本プロ」を含め2勝の平田憲聖が主役を張る中、この世代の前田光史朗も初優勝にあと一歩と迫った。

9月「ANAオープン」のサンデーバックナインで単独首位に浮上。最後は百戦錬磨の谷原秀人に1打差で競り負けたが、初シードを手中に収める惜敗だった。内容的にも手応えを感じる戦いで、周囲もツアープレーヤーの勲章をつかんだことを喜んでくれた。「でも、やっぱり優勝しないとダメだと思うんで。同世代もすごい成績を残しているし、ここで満足しちゃいけない」と言い切る。

オフは一念発起。個人トレーナーに週2回ほど指導を仰ぎ、それ以外の時間も精力的に身体を鍛えた。「いや、もう…。嫌い、嫌いです。今まで避けてきたくらい」と苦笑するフィジカルトレーニングだが、そんなことも言っていられない。昨季ドライビングディスタンスは278.78ydで部門別80位。「データを見て、それ(ウィークポイント)はもう分かっていたので。ことしはしっかりやろう、と」

中島啓太、蝉川泰果らと同学年の23歳(撮影/中野義昌)

大会前の火曜日は悪天候で練習ラウンドができず、プロアマ戦のメンバーに入っていなかった前田が事前チェックできたのはイン9ホールだけ。前年大会も出場しているとはいえ、ことしのアウトコースはぶっつけ本番だった。

2オン可能なパー5もティショットから3Wで刻み、セカンドはピンを狙わずグリーンセンターへ。途中から冷たい雨が降り出す悪条件もセーフティなマネジメントで乗り切った。安全策に徹することができたのも、「去年とセカンドの位置が全然違ったり、自分の飛距離がアップしていることを実感できた」から。オフにやってきたことは間違いではなかったと少しだけ胸を張る。

ボギーなしの7アンダー「64」で3打差2位発進。「もちろん目標は優勝。でも、優勝するまでに目の前の一打だったり、やるべきことがあると思う。それに集中して、結果的に上位に入れたら」。積み重ねた先に、世代4人目のタイトルが待っているはずだ。(三重県桑名市/亀山泰宏)

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