鋼がぶつかり火花散る!激アツのロボット格闘ゲーム名作『サイバーボッツ』を知っているか

セガサターン版『サイバーボッツ フルメタルマッドネス』(筆者撮影)

巨大ロボット同士が戦うバトルに心躍らせない男の子はいません。しかし、対戦格闘ゲームの多くに登場するのは人間のキャラクターで、ロボットを操って戦うゲームは意外と少なかったりします。さらに『機動戦士ガンダム』など原作モノならばそこそこありますが、オリジナルとなるとごく少数。そんな少数の中で、名作と名高いのがカプコンのロボット対戦格闘ゲーム『サイバーボッツ フルメタルマッドネス』です。

■パーツを奪ってパワーアップする『パワードギア』から生まれた『サイバーボッツ』

1994年にアーケードで発表された『パワードギア』というゲームをご存じでしょうか。「ヴァリアント・アーマー」というロボットを操り、攻略を進めていくベルトロールアクションで、敵ヴァリアント・アーマーからアーム、レッグ、サブウェポンの3か所のパーツを奪い取って自機に替えられるというギミックがあるゲームでした。

その『パワードギア』の世界観とロボットの設定を受け継ぎ、1995年に対戦格闘として誕生したのが『サイバーボッツ』です。その後、1997年3月28日にセガサターンで、同年12月24日にプレイステーションで発売された移植版は、アーケード版にはない要素が盛りだくさんで、ロボット好き大歓喜のソフトとなりました。

■多彩なロボットと鋼がぶつかり合う”らしい”効果音がロボバトルを盛り上げる!

ロボゲーで一番気になるのは「どんなロボットが使えるか」に尽きるでしょう。『サイバーボッツ』はカスタマイズ性こそないものの、プレイヤーが選択できる「ヴァリアント・アーマー(V.A.)」と呼ばれる戦闘ロボの数は17体と非常に潤沢。そのうちの12機体は、ベースとなるボディに異なるアームとレッグ、サブウェポンという、量産機系のバリエーションが好きならばたまらない仕様となっています。武装についてもパイルバンカーから巨大なレーザーソードに巨大アーム、誘導ミサイルにドリルなど、メカ好きなら十分なラインナップがそろっています。

そんなバリエーション豊かなロボット同士によるバトルが楽しめる本作ですが、それを盛り上げているのが効果音。いわゆる、ロボット同士がぶつかる「ガシーン!」とか「ガキーン!」という音、そして『装甲騎兵ボトムズ』のローラーダッシュのような「キュイーン!」というダッシュ音など、ロボットアニメなどで聞いたことのあるようなサウンドエフェクトが、よりロボットバトル“らしさ”を生んでいるんです。

■コンシューマー版ならではの要素も盛りだくさん! あの「豪鬼」がロボットに!?

アーケード版も人気だった本作ですが、セガサターンやプレイステーションに移植されるにあたり、プレイバリューが増えたのも見逃せない要素です。

本作ではまずパイロットとなるキャラを選択し、戦闘ロボ「V.A.」を選んで戦いますが、移植版ではアーケード版でCPU専用だったキャラクターにもストーリーが追加され、それらのキャラしか乗れない専用機でのプレイが可能に。また、コンシューマ版ではおまけ要素として『ストリートファイター』シリーズの「豪鬼」がメカになった「零豪鬼」が使用できる仕様でした。

もとは3DCGで作られ、それをゲームに落とし込んだ零豪鬼は、さすが『ストリートファイター』シリーズでも最強格のキャラだけあってか非常に強力な機体で、波動拳や昇竜拳みたいな技も使えます。

55555本限定のセガサターンの超限定版には、この零豪鬼の設定をはじめとした『サイバーボッツ』の初期デザインや設定、コミックなどが収録された「DXシークレットファイル」が付属。これまたロボットやメカ好き、設定好きにはたまらないアイテムなので、機会があるならぜひ一読をお勧めします。

■操作もお手軽なのでロボット好きならぜひプレイを!

ゲームシステム的にも使用するボタンが多くなく、ガチャガチャやってればそれなりに遊べます。格闘ゲーム初心者にも手軽に遊べるのが『サイバーボッツ』のいいところでしょう。

零豪鬼が使えるセガサターン版やプレイステーション版をはじめ、アーケード版を再現した『カプコンアーケードスタジアム』(こちらは『パワードギア』も収録!)や『カプコンファイティングコレクション』など、プレイできる環境は多いので、ロボット好きならばぜひ一度遊んでみてください。

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