「野球界を揺るがす堕落したギャンブラー?」大谷翔平を裏切った水原一平氏の”経歴詐称疑惑”が再脚光!「年俸10万ドルにも満たない通訳がなぜ…」

世間を欺いた”経歴詐称”が再び物議を醸している。

現地3月25日、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)が元通訳・水原一平氏の違法賭博スキャンダルについて声明を発表した。

英国の公共放送局『BBC』も報じるほど、球界だけでなく世界中にも波紋を呼んだ同氏の違法賭博問題について大谷は「信頼していた方だったので、悲しくてショック」と話し、公私ともに全幅の信頼を寄せていたパートナーの嘘に落胆。ギャンブルの賭け事や違法ブックメーカーへの送金を依頼していないなど、自らの潔白を主張した。

水原氏が巨額な借金を抱えていたことも知らず、「僕の口座からお金を盗んだ」「彼は、みんなに嘘をついていた」など、複数の米メディアに報じられた数々の裏切り行為を告白した。

会見の序盤は決別を示すかのように水原氏のことを「彼」と呼んでいた大谷。だが無意識なのか、次第に「一平さん」と普段の呼び名に変わっていき言葉を詰まらせる場面も。「正直ショックという言葉が正しいとは思わないです。それ以上の…う~ん。うまく言葉で表せないような感覚で、この一週間はずっと過ごしてきたので。今はそれを言葉にするのは難しい」と語り、複雑な胸の内を覗かせた。
会見で明らかになった違法賭博問題以外にも、スーパースターの元通訳には晴れていない新たな疑惑がある。

現地23日、米大手ネットワーク『NBC』によると、水原氏の出身大学とされるカリフォルニア大学の広報担当者が「(水原氏が)在籍した記録がない」という衝撃の返答をし、同氏の「学歴詐称問題」が急浮上。新たな問題が噴出したのである。

カナダの日刊紙『The Stratford Beacon Herald』の電子版は「野球界を揺るがす元通訳のイッペイ・ミズハラとは何者なのか?」と銘打ったタイトルを打ち、世界中のメディアを賑わしているスーパースターの元相棒について、その経歴を振り返った特集記事を配信している。

同メディアはまず、「(水原氏は)堕落したギャンブラー?」と辛辣な言葉で書き出し、「野球界のスター、ショウヘイ・オオタニの元通訳であるイッペイ・ミズハラ氏について、スポーツ界はそう問いかけている」と同氏の虚偽を断じた。 続けて「ミズハラは、スポーツベッティングが認可されていないカリフォルニア州で、違法なブックメーカーで多額のギャンブルによる借金を重ねた罪に問われている。彼は少なくとも450万ドル(約6億8000万円)を盗み、借金を返済するためにオオタニの口座から送金した罪に問われている」とここまでの経緯を説明しながら、ある疑問を呈した。

「年俸10万ドルにも満たない通訳が、なぜ信用取引で400万ドル以上を賭けることができたのかは、2024年シーズン開幕直後の米球界を賑わせたストーリーの謎のひとつである」

さらに「もうひとつは、ここ数日で彼の話がコロコロと変わった」と指摘。大谷やチーム関係者、代理人弁護士を騙した供述だけでなく、水原氏にはMLB通訳としての仕事にも疑念が生じている。

同メディアは2007年から11年までの5年間、彼が岡島秀樹(ボストン・レッドソックス)の通訳を務めていたという一部メディアの報道を引用したうえで「今月初め、レッドソックスは『ミズハラは球団に雇用されたことはない』と発表した」と経歴の矛盾を指摘した。

それだけではない。1991年に家族とともにロサンゼルスに移り住み、現地でカジノのディーラー養成学校に通っていた水原氏は、カリフォルニア大学の卒業生だと主張していたが、これも嘘だったと補足。「ミズハラは18年に日本人女性と結婚したが、家族よりもオオタニと過ごす時間の方が長いと語った。『私たちは友達のようなものであり、パートナーみたいなものだ』と当時は語っていたが…」と記し、大谷が会見冒頭で述べた「悲しいし、ショック」という無念のコメントを添えて、同氏の裏切り行為を非難している。
『The Stratford Beacon Herald』は記事内で水原氏が通訳の枠を超えて、日本人スターと厚い信頼を築いているエピソードを一部紹介している。

「イッペイはフィールド内外でオオタニと親しくなり、彼が日本人選手として初めて出場した2021年MLBオールスターゲームのホームランダービーでは捕手を務めた。イッペイはグラウンド外でもオオタニの友人として、彼のアメリカ文化やライフスタイルを手助けした」

ギャンブルという誘惑の罠に溺れてしまった水原氏。このような仲睦まじい姿を見ることは、もうない。

構成●THE DIGEST編集部

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