病児の緩和ケア病棟の設立を提言 小児死亡検証委が群馬県に

 子どもの死因を医師や行政など多職種で検証し、再発防止や死亡時の対応につなげる「チャイルド・デス・レビュー(CDR)」制度で、専門家らでつくる群馬県小児死亡多機関検証委員会(座長・中野実前橋赤十字病院長)は27日、提言書を群馬県に提出した。2022年度の18歳未満の小児死亡37事例を検証した結果、慢性疾患など「内因死」が19事例と態様別で最多だった。提言として、余命が限られている病気の小児に向けた緩和ケア病棟の設立などを求めた。

 22年4月から1年間の死亡事例を検証対象とした。37事例を態様別に見ると、内因死の次に「自殺」7例、「不詳死」4例と続いた。態様ごとに発生予防や死亡時、死亡後の対応改善に向けた提言を盛り込んだ。

 内因死についての提言では、小児期に死を迎えなければならない子どもの痛みを和らげ、家族とより質の高い生活を送るための小児緩和ケア病棟の必要性を強調した。子どもを失った遺族の悲しみに寄り添った支援体制の整備も求めた。

 同委員会は医療、教育、行政の関係者らで構成。県は20年度から、CDRの制度化に向けた国のモデル事業に参加して提言を受けている。

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