汚職で有罪の公務員に退職金返還要求の是非判断へ 市が報告書「市政への信頼を著しく損なった」

栗東市役所

 滋賀県栗東市は28日、市が整備する産業拠点の土地売買を巡る贈収賄事件で元部長が有罪判決を受けたのに伴い、退職手当の返納に関する報告書を滋賀県市町村職員退職手当組合(大津市)に提出したと発表した。

 栗東市によると、報告書には元部長の在職中の担当業務や懲戒処分の有無などのほか、「市政への信頼を著しく損なった」とする意見も記載したという。

 同組合は今後、元部長から意見聴取し、退職手当審査会に退職金の返還を求めるか諮問し、答申を受けて組合長が処分を決定する。

 元部長は、土地売買について地権者団体に有利な取り計らいをしたことへの謝礼と知りながら、同団体の元代表から現金計1050万円を無利息・無担保で借りたとして、大津地裁から今年1月、執行猶予付き有罪判決を言い渡され、刑が確定している。

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