22日、ボアオ・アジアフォーラム国際会議センターに掲げられた年次総会のロゴ。（ボアオ＝新華社記者/楊冠宇）
【新華社ボアオ3月28日】中国海南省瓊海（けいかい）市博鰲（ボアオ）鎮で26日、ボアオ・アジアフォーラム2024年年次総会が開幕した。今年は「アジアと世界:共通の課題、共同の責任」がテーマで、アジア諸国の協力が議論の焦点となる。会期は29日まで。
各界の出席者らからは、アジアは世界の発展と協力を推進する重要な力であり、複雑で変化に富む外部環境に直面する中、各国は地域協力を強化し、世界経済の成長促進に貢献すべきだとの声が上がっている。
国際通貨基金（IMF）は1月末に発表した「世界経済見通し（WEO）」改訂版で、2024年のアジアの新興国市場と発展途上国の成長率を5.2％と予測した。ボアオ・アジアフォーラムが26日に発表した年次報告書「アジア経済の見通しと統合プロセス」では、今年のアジア経済の成長率は4.5％前後で、引き続き世界経済の成長に対する貢献が最も大きい地域になるとの見通しが示された。
19日、奇瑞（CHERY）新能源汽車石家荘分公司の組立工場の生産ラインで働く作業員。（石家荘＝新華社記者/牟宇）
今回のフォーラムでは、リスクと課題への共同での対応、経済・貿易の分断化の抑制、地域経済のレジリエンス（粘り強さ）の強化、発展の内的原動力の向上などのテーマが国内外の出席者の注目を集めている。
カンボジア王立アカデミー（RAC）国際関係研究所のキン・ペア所長は、アジア地域は現在、世界経済成長の減速や地政学的緊張の激化、気候変動、貧困などの課題に直面していると指摘。自由貿易と投資の促進や地域協力の強化、持続可能な発展の支援に取り組む必要があると語った。
出席者らは、アジアの急速な発展は団結・協力と切り離せないとした上で、中国経済が質の高い発展を実現し、アジアが発展と協力で結束する中、国際社会はアジアの発展見通しを楽観視し、地域協力の強化や発展機会の共有に十分な自信を持っているとの見方を示した。
25日、ボアオ・アジアフォーラム国際会議センター。（ボアオ＝新華社記者/楊冠宇）
フォーラムで発表された「世界・アジア経済信頼感調査」の結果によると、中国経済の見通しについて「楽観的」または「比較的楽観的」と回答したフォーラム会員と協力パートナーは6割を超えた。多くの企業が、20％超の事業がアジアに集中していると答えた。アジアの経済・貿易協力やデジタルトランスフォーメーション（DX）、グリーン（環境配慮型）・低炭素発展は、世界経済の回復に安定した力を注入するとみられる。
シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の顧清揚（こ・せいよう）副教授は新華社の取材に対し、中国は、質の高い経済発展と経済の構造転換を推進する中で、引き続き世界の大市場としての地位を維持するとともに、世界の投資家や多国籍企業の協力パートナーであり続け、世界、特にアジアの経済成長を持続的に促進するとの見方を示した。
キン・ペア氏は、世界の製造業の中心であり世界のバリューチェーン（価値連鎖）の重要な参加者である中国の経済成長は、世界経済にとって極めて重要だと指摘。相互尊重と互恵・ウィンウィンに基づく中国とアジア諸国の協力は、多国間主義とグローバル化への信頼を維持し、包括的な成長と持続可能な発展という新たな道を歩み出す一助となると語った。
13日、海南省にある洋浦国際コンテナ埠頭（ふとう）で貨物の積み降ろしをするコンテナ船。（小型無人機から、ボアオ＝新華社記者/郭程）
中日韓協力事務局の李熙燮（イ・ヒソプ）事務局長はフォーラムのパンフレットで、アジア地域には共に困難を乗り越える伝統があるとし、「引き続き一致団結し、各方面との協力や相互補完を実現しなければならない」との認識を示した。
コートジボワール・アラサン・ワタラ大学の学者、ジルベール・トペ氏は、中国は新たな発展理念を実践、新たな発展構造の構築を加速し、ハイレベルな対外開放を拡大しているとし、「アフリカはアジア、特に中国に学ぶべきだ」と述べた。
アルゼンチン・キルメス国立大学のフランシスコ・タイアナ教授は、中南米地域と中国や他のアジア諸国との間には、経済・貿易・投資の面で大きな協力の余地があるとし、中国とアジアの発展は中南米地域の経済発展にさらなる活力をもたらすことができるとの見方を示した。
