「え、それ関係あるの?」春の重ね着と花粉対策の深~い関係を気象予報士が解説

冬の間、着替えるたびに「バチッ」とくる静電気に悩まされていた人も多いと思いますが、春になると衣服に溜まる静電気はさらなるやっかいごとを引き起こします。
それは、花粉を引き寄せてしまうこと。

でも、重ね着する服の組み合わせをしっかり選ぶことで、衣服に花粉がついてしまうのをある程度防ぐことができます。
今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、春の重ね着と静電気、そして花粉との関係・対策を解説します!

静電気を帯びた衣服は"花粉ホイホイ"状態

空気中に浮遊している微粒子は、じつはほとんどがプラスやマイナスの電気を帯びています。
花粉も例外ではなく、ほんのわずかな電気量ではありますが、帯電した状態で空気中をただよっているのです。

電気にはお互い引きあう力があるため、静電気を帯びた衣服はそうでない衣服と比べ、どんどん花粉を吸い寄せてしまいます。
まさに"花粉ホイホイ"状態。
当然ながら空気中の花粉の電気をどうこうすることはできないので、衣服の側で対策をする必要があります。

静電気が発生しやすい組み合わせ・しにくい組み合わせは?

衣類の素材と帯電しやすさのイメージ(筆者作成)

衣類の素材のなかには、もともとプラスの電気を帯びやすいものと、マイナスの電気を帯びやすいもの、そしてあまり電気を帯びにくいものがあります。

このうち、プラスの電気を帯びやすいものとマイナスの電気を帯びやすいものを重ねて着てしまうと、人が動くだけでひたすら静電気が溜まってしまうのです。

プラスの電気を帯びやすいのはナイロン、ウール、レーヨンなど。
逆にマイナスの電気を帯びやすいのはアクリル、ポリエステル、アセテートなどです。
綿や麻などはあまり帯電しません。

たとえば冬の間はウールのコートを着ていた人も春になるとトレンチコートを着るようになり、トレンチコートはポリエステル素材のものが多いので、内側に着る服は同じポリエステルか、アクリル、あるいは帯電しにくい綿などがおすすめということになります。

自分が持っている衣服の素材表示を確認して、できるだけ静電気を溜めにくい組み合わせの重ね着をしてみましょう。

便利グッズもぜひ活用しよう

たとえ静電気が発生しやすい組み合わせの服であってもデザイン上その服をどうしても着たい日はありますし、そもそもいくら工夫して重ね着をしても外に出て動くことで摩擦による静電気は少なからず発生してしまいます。
そんなときは便利グッズにも頼ってみましょう。

最近では静電気防止スプレーはドラッグストアや百円ショップで簡単に手に入り、しかも手のひらサイズの持ち運べるタイプから自宅に置く大容量のもの、そして無香料のものから消臭機能がついたものまで幅広く展開されています。

じつは衣類が静電気を帯びていると花粉だけでなくチリ・ほこりまで吸い寄せてしまい、花粉症でなくてもほこりアレルギーに悩まされるケースも。
手軽に買える便利グッズも活用しながら、静電気にうまく対処していきましょう。

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部

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