鹿児島県立種子島中央高校(中種子町)普通科の1年石堂和佑紀さんが、実用英語技能検定(英検)準1級に合格した。対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を活用し、会話表現や英作文のスキルを磨いた。
準1級は大学中級レベルの難関資格。映画「スター・ウォーズ」を英語で理解したいと思ったのが挑戦のきっかけだ。南種子中学校時代に英会話教室へ通い、高校入学直後、2級に合格。単語や文法など基本知識は参考書に頼り、より実践的な英語を学ぶ手段として家族が使っていたパソコンソフトに着目した。
チャットGPTの特長の一つが、言い換え表現を豊富に例示してくれること。「英文の丸暗記にならないよう、覚えやすい形を探すことができた」。起床後にリスニング、登下校のバスは単語、学校では先生と面接練習と“英語漬け”の日々を送り、約8割の正答率で目標達成。将来は医師として海外の医療活動に参加する夢を抱く。
種子島中央高校はデジタル分野の専門人材育成を目指し、今春からミライデザイン科を新設する。生成AIを授業に取り入れる方針だけに、石堂さんはモデルケースになりそう。指導した英語科の安永なぎさ教諭(32)は「普通教科の学習でも活用の幅が広がる」と話す。