高齢者に無処方イベルメクチン投与、職員の大半が退職 県議運営の福祉施設、HPにおわび掲載「法令違反明らか」 指宿市が監査開始

小園成美県議が運営する高齢者福祉施設=20日、指宿市

 鹿児島県議会の小園成美議員(自民・指宿市区)が指宿市で運営する2カ所の高齢者福祉施設で職員の大半が退職したことなどを受け、市は27日、介護保険法に基づく監査を始めた。施設側へ書類の提出を求めるなどしている。

 勤務表や介護の内容を記した日誌などを確認する予定。施設は同日、医師が処方していない抗寄生虫薬「イベルメクチン」を新型コロナウイルス対策として利用者へ投与していたと公表。ホームページに「法令違反は明らか」と、おわびを掲載した。市はこの内容についても聞き取る。県はどの法令に抵触するかを確認している。

 2施設はグループホーム「すもも」「すももの里」。小園議員によると、施設では2月29日に職員19人中16人が退職。抗寄生虫薬の投与や待遇などを巡り、協議を続けていたという。市と県は3月22日、合同で運営指導した。

〈関連〉高齢者福祉施設がホームページに掲載した「関係者各位へお詫び」全文を確認する(同サイトより)

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