【台湾】陳首相、水の安定供給強化を要請[公益]

台湾行政院(内閣)の陳建仁院長(首相)は28日、気候変動に伴う影響で台湾で将来的に雨の降らない日が次第に増える恐れがあるなどとして、政府の各部門に対して水の安定的な供給を強化していくことを要請する考えを示した。行政院が発表した。

陳氏によると、研究では雨が降る場合は豪雨となる可能性が高くなるという。台湾は現在、渇水期の後半に入っており、陳氏は、政府は梅雨を迎えるまで、気候変動に伴う極端な降雨に慎重に対応する必要があると指摘。各部門に干ばつや洪水への対応をしっかり行うように要請したと説明した。

今年1月以降、台湾では降雨が少なく、ダムの集水エリアの降雨量は例年の3~6割しかないという。農業向けの水需要が高まることから、ダムの貯水量は減少が続いており、陳氏は、農業従事者がかんがい用水の管理を強化するよう農業部(農業省)に対応を求めた。

経済部(経済産業省)水利署は19日から、桃園、新竹、苗栗、台中の各エリアについて、水需給の逼迫(ひっぱく)度を4段階で表す「水事情信号(水情燈号)」を最も低い「緑」(注意)とすることを決定した。水不足シーズンが続く中、当面の降雨量が少なめと予想されているためで、各方面に節水の強化を呼びかけた。

台湾の主なダムの28日午後1時現在の貯水率は、石門ダム(桃園市、30.70%)や宝山ダム(新竹県、33.29%)、宝山第2ダム(新竹県、38.81%)、鯉魚潭ダム(苗栗県、35.25%)、南化ダム(台南市、39.59%)、曽文ダム(嘉義県、46.69%)、仁義潭ダム(嘉義県、23.02%)などが50%を切っている。

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