1人500円寄付ランナーに募る 金沢マラソン 能登被災地枠に500人 定員最多1万5000人

第10回金沢マラソンのメインビジュアル

 金沢マラソン組織委員会は28日、金沢ニューグランドホテルで会合を開き、10月27日の第10回大会で、能登半島地震の復興支援として、出場者1人当たり500円の善意を募ることを決めた。エントリー時に希望するランナーから受け付ける。定員を前回より2千人増やし、過去最多の1万5千人とすることや、能登で地震に遭った500人を優先的に抽選することも決定した。

  ●組織委が会合

 能登被災地ランナー枠は元日時点で宝達志水以北の4市5町に住んでいた人が対象。地域ランナー、県民、連続落選者枠に続く4番目の優先抽選枠となる。

 校下名入りのアスリートビブスを着けて走る地域ランナー枠と同じく、能登被災地ランナー枠も自治体名入りのビブスを着用する。組織委担当者は「沿道から『輪島市頑張れ』などの声援が上がり、メディアを通じて被災地にその声が届くといい」と語った。

 昨年、金沢外環状道路海側幹線(海側環状)を通る新コースを採用し、アップダウンの多さや交通規制の観点からコース変更の要望を受けた。今年は環状大浦交差点でなく高架上で折り返すようにし、環状福久と城北市民運動公園付近で走る距離を延長する。

 参加者特典はTシャツからキャップとトートバッグに変更する。当日はスタート会場周辺で、小学生以上200人が1.4キロ走る「ファンラン」を開催し、大会を身近に感じてもらう。5月10日~6月20日に一般申し込みを受け付ける。

  ●オンライン大会走行1キロにつき10円寄付

 オンライン大会は9月13日~10月14日に実施する。定員なしとし、走行距離別の4部門を集約し、距離無制限の1部門とする。ランナーが走った合計距離に応じ、組織委の予算から1キロ10円を被災地に寄付する。

 会合では10回大会のポスターなどに使うメインビジュアルを披露。ランナーの足とともに「KM10TH」のロゴや今年のキャッチコピー「MOVE FORWARD AS ONE」を描いた。力強い一歩を表現し、震災を乗り越えようとのメッセージを込めた。

 金沢マラソンは市や北國新聞社などで構成する組織委員会が主催する。

  ●被災地ランナー市長が無料化検討

 会合では、組織委会長の村山卓市長が能登被災地ランナー枠の参加料(1万5千円)を無料にする方向で調整を進めると述べた。「さまざまな手続きが必要だ。どうすれば可能か検討したい」と語った。

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