紅こうじ県内でも被害 南加賀の40代女性頭痛、けん怠感

  ●県が厚労省に報告

 小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを摂取した南加賀の40代女性が、健康被害を訴えていたことが28日、分かった。情報提供を受けた石川県によると、女性はサプリの使用を始めてから頭痛、けん怠感、軟便の症状が現れ、摂取を中断したところ改善した。県内で健康被害が疑われる事例が確認されるのは初めてで、県は27日、厚生労働省に報告した。

 県によると、女性は昨年8月に「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」の摂取を始め、12月頃に症状が出始めた。女性は医療機関を受診していないが、今年2月にサプリの使用をやめたところ治まったという。

 県内の保健所には、40代女性のほかにも、過去にサプリを使用していたなどとする相談が28日時点で少なくとも4件寄せられており、県と金沢市が聞き取り調査を進めている。

 厚労省は、サプリの使用後に症状が悪化するなどした場合、保健所に相談するよう求めている。

  ●県内3社が原料使用、自主点検へ

 厚労省は28日、新開発食品評価調査会などの合同会議を開き、小林製薬の「紅こうじ」原料を使用している企業に対し、自主点検を依頼することを決めた。

 自主点検の対象は小林製薬が直接、紅こうじ原料を卸している52社と、これらの企業から入手している173社(重複あり)。県内では52社にジャストベイクアミー、173社に同社と能登製塩、アサダヤコーポレーションの3社が含まれる。

 対象企業には、回収命令が出た小林製薬の3製品と同じ原料を使い、1日摂取目安量が同量以上の製品や、過去3年間に医師から健康被害が報告された製品があれば厚労省に報告してもらう。同省は、対象企業の製品がただちに健康被害をもたらすものではないとしている。

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