報徳学園のエース今朝丸が大会No.1投手を襲名。健大高崎・箱山はバットがようやくお目覚め!【センバツの逸材たち/第9日】

準々決勝の4試合が行われた2024年センバツ第9日目。この日、圧倒的なパフォーマンスを見せたのが第4試合で先発した報徳学園の今朝丸裕喜だ。立ち上がりの1回こそヒットと死球で2人の走者を背負ったが、このピンチを切り抜けると2回から7回までは内野安打2本のみという圧巻のピッチングを披露。8回に1点を失って完封は逃したものの、大阪桐蔭の強力打線を相手に被安打5、1死球で1失点完投勝利をおさめた。

140キロ台中盤のストレートを内角にも外角にもきっちり投げ分けることができ、スライダー、フォークといった変化球の精度の高さも光る。1回戦の愛工大名電に続く難敵との対戦だったが、2試合を合計しても防御率は1.13。1イニングあたりに出した走者を示すWHIPは0.88と、いずれも見事な数字となっている。スピード/コントロール/変化球が高いレベルで両立されており、総合的に見ても、また将来性を考えても今大会No.1投手であることは間違いないだろう。
また、野手で最も目立ったのは第1試合に登場した健大高崎高の箱山遥人。ここまでの2試合では守備で貢献しながらわずか1安打だったが、湿っていたバットがようやく火を噴いた。第1打席ではライト前ヒット、第2打席は四球で出塁すると、2点を先制した5回の第3打席にもう少しでホームランというレフトフェンス直撃の2点タイムリースリーベースを放つ。さらに7回の第4打席にも貴重な追加点となるタイムリーをレフト前に運び、3打数3安打3打点の大活躍で4番としての役割を果たした。

守備面でも先発の佐藤龍月、6回から登板した石垣元気の2年生2投手を巧くリードして山梨学院の強力打線を1点に抑え込んだ。こちらも大会No.1捕手の評価は揺るぎないものとなった印象だ。

この2人以外では、前日に続いて大阪桐蔭のトップバッター、境亮陽が今朝丸からスリーベースを含む3安打の大活躍。残念ながら試合には敗れて甲子園を去ることになったが、3試合合計での打率は.583と強烈なインパクトを残した。

構成●THE DIGEST編集部

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