【広島】新井監督リラックスの要因か 関係者から「3連戦全部コケても問題もない」の声出る理由

広島・新井監督

ピリピリムードは微塵も感じられない。就任2年目の新井貴浩監督(47)率いる広島は開幕前日も泰然自若。どっしりと構えるどころか、それ以上にリラックスし切っている。

開幕戦(横浜)で対戦するDeNA・三浦監督とともに28日には前日公式会見に臨み、白い歯を見せながら「ありがたいことに、昨年に引き続き今年も評論家の皆さまの私たちへの評価はものすごく低いものをいただきまして」と自虐的にコメント。そして「キーマンは」との問いには「松山竜平ですかね」と即答した。オープン戦でハイアベレージを残すベテランだが、開幕戦は代打出場が濃厚。そんな仕事人にあえてスポットライトを浴びせるなど、公式戦直前に漂う緊張感とは全く無縁だ。

補足するかのように、チーム関係者も「開幕のアドバンテージは何か」と自ら問題提起しながら「万が一、開幕3連戦で全部コケたとしても今年も何の問題もない」と続け、笑い飛ばす。

これは昨季の船出が経験値として生きているからだ。広島は敵地でヤクルト相手に、いきなりスイープされるなど開幕から4連敗スタート。周囲から当時新任の新井監督に「大丈夫か」との声が飛び交ったが、終わってみれば貯金9の2位でAクラス入りし、5年ぶりのCS進出も果たした。

「このチームには『開幕ダッシュ』という言葉の呪縛にだまされる人間は誰もいない」(チーム関係者)

新井カープにとって、開幕戦は143分の1試合でしかない。最終目標はもちろんリーグ優勝、そして日本一。敵地・横浜へ向かう前日の27日、広島・護国神社で行った必勝祈願の絵馬に新井監督は「日本一」の「一」をあえて右肩上がりで書いた。その意味は〝言わずもがな〟だ。

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