能登半島地震/北陸整備局が道路復旧の施工方針・留意点まとめる、海岸隆起活用を検討

国土交通省北陸地方整備局は、能登半島地震の道路復旧を巡る施工方針・留意点の骨子をまとめた。能越自動車道の盛り土崩壊箇所は2007年地震と同様な盛り土の補強、排水対策を基本とする。連続崩壊箇所は現位置での復旧や費用、期間を検討し、復旧計画を策定する。国道249号沿岸部は、海岸隆起を活用した応急復旧や大谷トンネルの現位置本復旧が適切かなどを検討する。
「2024年能登半島地震道路復旧技術検討委員会」(委員長・川村國夫金沢工業大学教授)が27日に骨子案を了承した。それによると被災を最小限にとどめ、通行機能を迅速に回復できる構造を目指す。さらに原形復旧が困難・不適当な箇所は、既存の道路用地を最大限活用しつつ、費用や期間などを比較しルートを検討することを基本方針とした。
能越自動車道輪島道路・穴水道路、直轄権限代行区間などの復旧に反映する。個別課題は分野ごとのワーキンググループで検討する。
施工方針・留意点のうち、178カ所の被災が確認された能越自動車道は、07年地震を受けて対策を講じた箇所の被害が少なかった。そこで同年地震の対策を基本に購入土による良質な材料を使った補強を検討。十分な地下排水対策も講じる。別所岳SA~横田ICのような連続崩壊箇所は現位置復旧が適切か検討する。支承は損傷の原因を把握し、復旧に生かす。
231カ所が被災した国道249号沿岸部のうち、千枚田地区、大川浜地区、逢坂トンネル付近は地滑りリスクが高く、海岸隆起を活用した復旧を検討。逢坂は無人調査も行う。啓開不能・通行止めの中屋、大谷の両トンネルのうち、中屋は1車線保護の復旧を想定、大谷は変位のリスクがあり周辺を迂回(うかい)路とする。本復旧は位置、費用、期間を総合的に検討する。

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