【センバツ】初の4強入り逃した青森山田 クラウドファンディングも道半ばで夏にリベンジ

試合後、応援団に頭を下げる青森山田ナイン

第96回選抜高校野球大会第9日(28日)の準々決勝第3試合で、春夏合わせて初の8強入りを果たした青森山田が中央学院(千葉)に2―5と完敗した。

主戦の桜田(3年)が序盤に失点を重ね、打線はチャンスを作りながらも14残塁と決定打が出なかった。兜森監督は「あと一歩まで攻めてはいたが、守備力に阻まれてしまった。打撃の質は次への持ち越しになるのかなと思う。まだまだやっていかなきゃいけない」と出直しを誓った。

初戦で京都国際との接戦を制し、2回戦では優勝候補の広陵(広島)相手に驚異的な粘りを見せ、延長タイブレークの末にサヨナラで撃破。原動力となったのが「クラウドファンディングで応援団の費用を増やそう!」だった。遠方からの交通費や渡航費を賄うため、学校側が200万円を目標に寄付を開始。最東端からの出場で話題となった別海(北海道)が自治体から5000万円の補助金(大会前の遠征費含む)が拠出されただけに期待が集まった。しかし初戦突破で約10万円しか集まらず、準々決勝でも26万円程度に留まった。応援団も約260人から150人までに減った。

応援団の甲子園までの道のりは容易ではない。移動手段は飛行機、新幹線、車の乗り合いなどさまざまで、自家用車で来たという父兄の一人は「15時間かけてきました。なかなかホテルも取れないので車中泊です。青森から行ったり来たりもできないですし、3年生の父兄なら初戦(21日)からずっといますよ。2日間の順延もあったし、甲子園での宿泊費を考えると20万~30万円かかるでしょう」と話している。

その苦労はナインも痛いほど理解しており、初戦の試合前に「俺たちが頑張って寄付を増やそう」と円陣で掛け声を上げ、モチベーションにしてきたという。4強入りはならなかったが、広陵戦は今大会屈指の名勝負だった。ハングリー軍団がまた夏に突き進む。

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