【小林弘幸医師が開発】自律神経と腸内環境を整えて健康になる「長生きみそ汁」の作り方

(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人が昔から慣れ親しんできた「みそ汁」。実は、みそ汁こそ自律神経のバランスを整えるのに最適な一品であるということをご存じでしょうか。本記事では、順天堂大学医学部で教授を務める小林弘幸氏による著書『自律神経を守る 60歳からの正解』(マガジンハウス)から一部抜粋して、みそ汁の健康効果を最大限引き出す、小林氏考案の「長生きみそ汁」のレシピをご紹介します。

自律神経と腸内環境を整える最適の一品は「みそ汁」

自律神経のバランスを整えるのに最適な一品を上げるなら、それは「みそ汁」です。私はいつも神経と腸内環境を整えるのによいものとして、朝食と発酵食品の大切さをお伝えししているのですが、その2つにぴったり当てはまります。

みそ汁は、日本人が昔から慣れ親しんできた料理です。その味わいが、心と体を落ち着かせて深くリラックスし、自律神経のバランスを整えてくれます。

味噌の発酵食品としての効果は、ずば抜けていて、その健康効果は科学的にも数多く立証されています。味噌の材料である「大豆」には、植物性タンパク質やビタミン、食物繊維などの栄養が豊富に含まれています。

そして、大豆を発酵させると、アミノ酸、ビタミンB群、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など、さまざまな栄養素がつくられます。

なぜ、こんなにも栄養豊富かというと、それは味噌に使われる発酵菌に秘密があります。発酵食品をつくる微生物=発酵菌は、大きく「酵母類・細菌類(乳酸菌など)・カビ類(麹菌)」の3つに分類されます。それぞれ1つか2つの菌を組み合わせて発酵食品はつくられていますが、味噌はこの3つすべてが入っているのです。

そんな栄養満点の味噌と、食物繊維が豊富な野菜や海藻でつくるみそ汁は、最適な一品として挙げるのに相応しい健康食です。ここで、簡単につくれて、みそ汁の健康効果をさらに高めるレシピをご紹介します。

それは、私が開発した「長生きみそ汁」です。

まずは、次の4つの食材を組み合わせて「みそ玉」をつくります。

★「みそ玉」の材料(10個)

「白味噌」80g……GABA(ガンマアミノ酪酸)をたっぷり含みストレス解消

「赤味噌」80g……抗酸化作用のあるメラノイジンが豊富

「すりおろした玉ネギ」1個……豊富なケルセチンで解毒効果

「りんご酢」大さじ1……カリウム豊富で余分な塩分を排出

これらを組み合わせることで自律神経を効率よく高めてくれるわけです。

★「みそ玉」のつくり方(10個)

● すべての材料を、ボウルなどに入れ、泡だて器などで混ぜ合わせる

● それを10等分に分けて、製氷機(アイストレー)に入れる

● それを冷凍庫で2~3時間凍らせる

「みそ玉」1個で、みそ汁1杯分の分量です。フォークなどで取り出して、その都度ご使用ください。「みそ玉」をつくり置きしておけば、あとはカンタンです。

★「長生きみそ汁」のつくり方

適量の分量で具材を出汁(だし)で煮込んで(顆粒の出汁を使うと便利です)、火を止めてから適量の「みそ玉」を溶かせばでき上がり。

具材は、刻みねぎ、乾燥わかめ、乾燥麩などがいいでしょう。食欲がないときは、納豆とめかぶを入れた「ネバトロみそ汁」がおすすめです。めかぶのネバネバは便秘解消効果があります。

納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」も血流を改善して腸の働きをよくしてくれる優れた発酵食品ですが、熱に弱いので、みそ玉と同様、仕上げに入れるのがポイントです。

ほんの少しの手間でできますので、ぜひ「長生きみそ汁」をつくってみてください。自律神経のバランスを整える最高の一杯を、毎朝、毎食でも取り入れて、腸活にも役立てましょう。

小林 弘幸

順天堂大学医学部教授

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