【天才】司法試験も一発合格!〈東大理Ⅲ卒・河野玄斗氏〉が教える、速攻で知識定着する「暗記術」

東大医学部を卒業し、3大難関国家資格(医師国家試験・司法試験・公認会計士試験)までも制覇した河野玄斗氏。その実績から「天才」や「神脳」と評されますが、同氏は「決して超人的な記憶力や特殊能力があるわけではなく、ただひたすらに、『勉強の仕方がうまい』だけ」と語ります。河野氏の著書『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』(2018年刊行、KADOKAWA)より一部を抜粋し、今回は「暗記術」を見ていきましょう。

暗記するうえで「反復」は必須

どんな科目でも、最低限の暗記なしには成り立ちません。そして、暗記で点数を稼ぐためには、何よりも反復が大切になります。なぜなら、人間は忘れる生き物だからです。

ここで人間の記憶について、簡単にお話ししておきます。

人の記憶を分類すると、「短期記憶」と「長期記憶」の2つに分けることができます。どんな情報も最初は、海馬という脳の器官によって短期記憶として保持されるのですが、この短期記憶はすぐに忘れ去られてしまいます。そのため、長期的な勉強においては、いかに短期記憶を長期記憶に変換できるかが重要になってくるのです。そして、長期記憶に定着させるのに大切なのは、海馬に「この情報は自分にとって重要なものである」と思わせることです。そのために、反復することこそが最も有効な方法なのです。脳はある情報に何回も接すると、「おっ、この情報はきっと重要なんだな」と思い込むため、反復すればするほど、長期記憶へ定着するのです。

逆に、瞬間記憶のような文字通り「人間離れした」特殊能力がある場合以外は、どんな人であっても反復をしないと確実に忘れてしまいます。

反復の重要性をお伝えしたところで、「エビングハウスの忘却曲線」という、記憶に関する研究の実験結果をご紹介します。

この実験は「ある情報を記憶してから経過した日数と節約率」の関係性を調べたものです。この節約率を簡単に言うと、記憶した情報について、一定時間置いたあとに再度学習するとき、どれだけ早く覚えることができるかを数値化したものです。その結果を見ると、20分後には節約率が58%、1日後には節約率が34%、6日後には節約率が25%に低下するということがわかります。当然のことながら、僕も例外ではありません。

これを応用すると、一度覚えたものはなるべく早いうちに反復した方が復習時間を短縮することができることもわかります。一般的に最も効率がいいと言われている方法は、「初めて記憶した30分後、1日後、1週間後、1ヵ月後にそれぞれ復習・再記憶する」ことだとされています(諸説あり)。これくらいまで反復をすれば、ほとんどの情報は長期記憶へと移行することでしょう。

覚えるときや反復するときも「アウトプット」が重要

さて、反復の重要性とその最適なタイミングについて述べてきましたが、より一層、しかも格段に、長期記憶へ移行しやすくする方法があります。それは、覚えたり反復したりするときに、「アウトプット」することです。

先ほど、短期記憶を長期記憶に変換するためには、海馬に「その情報は自分にとって重要なものである」と思わせるのがよいという話をしました。そして、その情報をアウトプットすることで、海馬に「この情報を頭の引き出しから取り出そうとしているから、きっと重要な情報なんだろう」と認識させることができるのです。

逆に、ただ単語集を目で追っていっても頭に入らないのは、頭のなかで整理してから吐き出すアウトプットが抜けていて、海馬はその情報を重要なものとして認識しづらいからといえます。

覚える際や反復する際にアウトプットすると、自分が本当に覚えているかを容易に確認できるというメリットもあります。

何度もアウトプットすることで、抜けている部分をチェックし、できなかったものを復習する。こうして脳がそれらを重要な情報として認識し、情報が定着するのです。

以上のように、暗記においてもアウトプットすることは重要なので必ずおこなうようにしてください。

たとえば単語を覚えるときは、1単語を1分かけて1回チェックしていくよりも、1単語を10秒かけて6回チェックしていった方が、断然記憶に定着します。

この理由はシンプルで、前者は思い出す際の1回だけアウトプットできるのに対して、後者は同じ時間でアウトプットを6回もすることができるからです。なるべくアウトプットの回数を増やせるような工夫をするとよいでしょう。

教科書で蛍光ペンを引くべきは「自分の知らない場所」だけ

復習や反復による記憶の効率化をするうえで、教科書などの重要部分にマークをすることはとても有効です。

ただし、マークもただ漫然と教科書の重要部分に線を引くだけでは、逆効果になってしまうこともあります。

教科書にマークする最大の目的は、復習のときに「自分が見返すべき大事な部分がわかること」です。

つまり、自分がすでに理解している部分は、たとえ大事であっても読む必要がないので、必ずしも線を引く必要はありません。

ダラダラと重要部分すべてに線を引いてしまうと、どこを理解できていないのかがわからず、すでに覚えている部分も読み返さなければいけなくなるので、復習の効率が下がってしまうのです。

それを避けるため、教科書にマークをするときは、自分の知らない部分だけにマークするのがよいでしょう。

僕が教科書の内容を覚える際は、最初に、蛍光ペンで自分の知らなかったところだけマークします。そして、蛍光ペンのマーク部分だけ反復します。

何度か復習をしたあと、それでも覚えられていなかったマークの下へ赤線を引きます。そして最後に赤線の部分だけを復習して仕上げます。

この方法の重要なポイントは、自分の成長に合わせてマークも更新して、復習時の無駄を省いていくことです。

なお、体系的な理解が不十分である場合(=「幹」をイマイチ捉えきれていない場合)は、自分が知識として有していたとしても、体系的な理解のために全体を復習する意義もある場合があるため、そこは臨機応変に対応してください。

河野 玄斗

次世代オンライン学習塾 河野塾ISM 代表

1996年神奈川県生まれ。東京大学医学部を卒業。司法試験・医師国家試験・公認会計士試験に合格し、3大難関国家資格を制覇。初著書『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法』(KADOKAWA)はタイ語・繁体字等へも翻訳され、累計12万部を超えるベストセラーとなった。

「頭脳王」(日テレ)にて三度優勝、「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日テレ)番組史上初の全問正解など、テレビにも多数出演。Xフォロワー20万人、YouTubeチャンネル「Stardy-河野玄斗の神授業」は登録者118万人を突破した。

現在は、次世代オンライン学習塾 「河野塾ISM」を立ち上げ、累計生徒数は50,000人を突破。最強の学習プログラム「KONO式」を開発した。

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