ドジャース大谷翔平(29)の元通訳・水原一平氏(39)が違法賭博スキャンダルによってクビになり、大谷のグランド内での状況は一変。ナインと積極的にコミュニケーションを取るようになったのは「緩衝材」がなくなったからで、そうせざるを得なくなった。メリットもあるだろうが、これまで必要なかったことをしなければならなくなったのは事実だ。(【前編】からつづく)
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スキャンダルが露見した直後、古巣・日本ハムの関係者は大谷について、「何しろ彼は体の大きな野球少年ですから」と、こう言った。
「食事は好き嫌いではなく体づくりのため。同僚と出掛けても付き合うのは食事までで、飲み会はパス。飲めば飲めるのに体を気遣って飲まない。最もカネを使ったのは寮近くのコンビニじゃないかといわれたほど。遊びもやらず、ひたすら野球がうまくなることに特化した生活を送ってきた。フツーは制約が多い寮をさっさと出て1人暮らしをしたがるのに、大谷は逆です。渡米するまで寮から離れようとしなかった。寮にいれば食事や洗濯の心配はいらないし、生活するうえで必要最小限のことはやってもらえるからです。なによりグラウンドや室内練習場が隣接されていて、練習も好きなだけできますからね」
大谷は高校時代(岩手の花巻東高)も寮生活だった。つまり10代半ばから23歳で渡米するまで下界とは“遮断”されたような寮で、ひたすら野球に打ち込んできた。そして渡米して以降は身の回りのことも含めて水原一平元通訳にオンブにダッコだった。「野球少年」がそのままトシを重ねたわけで、
「趣味や好きなことがあるわけでなく、大金を使うこともない。というか使う必要がない。カネに無頓着だし、自分の口座から7億円なくなったことに気付かなくても不思議じゃない」
とは前出の関係者だ。
野球しかしていなかったがゆえに、メジャーで本塁打王のタイトルや2度のMVPを獲得するような選手になったのだろうが、その一方で「体の大きな野球少年」は違法賭博スキャンダルに巻き込まれた大きな原因にもなった。
大谷は会見で水原元通訳を「ウソつき」と看破したものの、違法賭博スキャンダルが表面化するまでその「ウソつき」に全幅の信頼を寄せていたのはだれあろう大谷だ。
米紙「ロサンゼルス・タイムズ」のディラン・ヘルナンデス氏はコラムでこう書いている。
「大谷は付き合う人々にもっと注意を払わなければならない」「フィールドで子供のままでいようと思ったら、フィールドの外で大人になる必要がある」
ニューヨーク遠征でも球場と宿舎以外、出歩くことはない。そんな野球一筋のスタンスはグラウンドで効果を発揮するものの、ベーブ・ルース以来の二刀流として球界のトップに君臨し続けるためにはグラウンドを離れたら「大人」になる必要がある。「スキャンダルはパフォーマンスに影響する可能性がある」(ヘルナンデス氏)からだ。
相棒が以前ほど機能しなくても、これまでのようなパフォーマンスを発揮することができるのか。無安打続きのまま本拠地開幕を迎えるが、大変なのはむしろこれからだ。