中国不動産業界、低調な23年決算相次ぐ 2位万科は中核利益5割減

Clare Jim

[香港 28日 ロイター] - 中国の不動産デベロッパーが28日に相次いで2023年決算を発表した。いずれも低調な内容で、国内2位の万科企業の中核利益は50.6%減少した。

中国経済の柱である不動産業界はレバレッジ規制で流動性問題が発生し、21年以降相次ぐ危機に見舞われている。23年の全体の住宅販売は前年比6.5%減、21年の高水準からは35.9%減となった。

国内最大の民間デベロッパーである碧桂園(カントリー・ガーデン)は、23年の決算発表を延期。会計上の適切な見積もりと判断を行うためにより多くの情報を収集する必要があるとしている。同社は昨年終盤、110億ドルのオフショア債で債務不履行(デフォルト)を引き起こした。

国有の万科については、為替の影響と資産・金融商品価値の変動を除いた中核利益が98億元(13億6000万ドル)だった。

有利子負債は約1.9%増の3200億元。純負債比率は54.7%で、11%ポイント上昇した。

売上高は7.6%減の4657億元、純利益は46.4%減の122億元だった。

同社は別の発表文で、上場予定となっている自社の消費関連REIT(不動産投資信託)を大株主の国営企業・深センメトロが約10億元購入すると発表したことを受け、深セン政府による今後のさらなる支援を期待しているとした。

かつて国内トップ5に入っていた北京を拠点とする融創中国は昨年の純損失額が80億元と、22年の277億元から縮小。同社は今回の危機でオフショア債務再編を最初に完了した。

佳兆業集団と合景泰富集団(KWGグループ)はそれぞれ純損失額が199億元、187億元に拡大した。

一方、一部の住宅購入者が政策支援を受けている企業に目を向けているため、国有デベロッパーの中には比較的堅調な業績を上げているところも。

中国海外発展は昨年の純利益が10%増の256億元となった。ただ、中核利益は3.2%減の237億元だった。

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