過去最大の680億円 東邦ガス、24年度投融資計画

名古屋市内で記者説明した増田社長

 東邦ガス(本社名古屋市)は28日、2024年度の事業計画を発表した。24年度の投融資額は、23年度実績見込み比で約25.9%増の680億円を計画する。過去最大規模となる。再生可能エネルギーの電源開発や水素製造設備への投資といったカーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出量実質ゼロ)関係など、戦略事業に力を入れる。

 投融資計画680億円の内訳は、都市ガス、LP(液化石油)ガスなど長期安定的な収益基盤とする「コア事業」に370億円(23年度実績見込みは400億円)を想定。電気やエネルギーサービスなど中長期的な成長をけん引する「戦略事業」には310億円(同140億円)を計画している。

 コア事業の投融資では、ガスやLPガスなど導管事業で230億円を見込む。戦略事業は、再エネ・CN関係で140億円などを計画している。

 電源の多様化を図りながら、再エネ電源の取扱量目標(30年度50万キロワット、23年度末見込みは約12万キロワット)の達成に向け、24年度の再エネ電源取扱量は18万キロワットの開発を目指す。25年度には、さらに25万キロワットに引き上げる方針も示した。

 名古屋市内で事業計画を発表した増田信之社長は「事業運営の最優先事項として、コンプライアンス(法令順守)の徹底に努め、安定供給を継続しながら環境変化に柔軟に対応し、成長の種を大きな花へと育てていきたい」と話した。

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