国内初、シマザメ繁殖成功 茨城県大洗水族館 赤ちゃんだけのしま模様  

アクアワールド県大洗水族館が国内で初めて繁殖に成功したシマザメの幼魚=大洗町磯浜町

アクアワールド茨城県大洗水族館(同県大洗町磯浜町)は28日、熱帯の海などに生息するサメの仲間「シマザメ」の繁殖に国内で初めて成功したと発表し、同館で飼育展示を始めた。魚体にある白黒のしま模様は成長するに従って薄まるため、同館は「赤ちゃんの時だけ現れる貴重な模様」としている。

シマザメは、インド洋から西太平洋のサンゴ礁などに生息。成魚の体長は最大75センチ前後で、おとなしい性格。しま模様は体長30センチを超える頃から薄くなるとされ、成魚は薄い褐色になる。

幼魚は体長11センチ、体重4.7グラムの雄で今月1日に生まれた。2021年12月に繁殖目的で迎えた親個体2組をバックヤードの水槽で飼育していたところ、23年11月に産卵を確認。その後は別水槽で卵を育てていた。

国内での飼育例は少なく、繁殖成功例もなかった。同館は絶滅危惧種「シロワニ」をはじめ、サメ12種で国内初繁殖の実績がある。今回は親個体を高めの水温で飼育するなどしていた。

飼育担当の徳永幸太郎さん(46)は「生後間もなく活発に泳ぐ幼魚を見て喜びが込み上げた。しま模様がいつ消えるかなど謎も多く、飼育研究を進めていきたい」と話した。

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