福島県南相馬市にロケット開発拠点新設へ 東京の新興企業が市と連携協定

協定を交わした畑田社長(左)と門馬市長

 繰り返し使える再使用型ロケットの開発を進めている「将来宇宙輸送システム」(東京都)は、福島県南相馬市で部品製造や各種試験を行う開発拠点の開設を目指す。28日、市と連携協定を結んだ。

 2022年5月設立の新興企業で現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同でロケットなどを水平に離着陸させる軽量な装置の設計に取り組んでいる。開発拠点の新設を機に地元の製造業者と連携して部品の供給網を構築し、有人飛行が可能なロケットの製造を目指す。

 すでに市内小高区に事務所を置き、拠点の場所を探している。協定に基づき、市は拠点候補地の情報提供や業者とのマッチングなどに協力する。小、中、高校で出前授業を開き、次世代の宇宙開発事業を担う人材育成にも取り組む。今年秋には小型ロケットを初めて打ち上げる予定で、将来的には市内に発射場を設置することも検討している。

 協定締結式を市産業創造センターで行い、畑田康二郎社長と門馬和夫市長が協定書を交わした。畑田社長が再使用型ロケットの概要や実用化までの計画を説明した。

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